<親子鷹の世界戦略>
【世界を撃つ】を戦略展開するまでには、宮本敏明社長の用意周到な準備の積み重ねがあった。オリジナル作品を世に送り出す従来の過程は、同氏が新進気鋭の家具デザイン設計士と打ち合わせて製品の概要を確定することから始まるが、その概要を製品化するために制作できる家具製作業者へ発注するのが宮本社長の役割であった。そして製品化された商品を販売していくのが、リッツウェルの仕事であったのだ。
この従来の工程を大きくチェンジさせたのが、宮本社長の実息である宮本晋作氏の存在である。下記に2013年『ミラノサローネ』に展示した作品の写真を添付している。この作品のデザイン・設計はすべて晋作氏の作品である。14年の作品のすべても、同氏が考案したものだ(同社ホームページ)。晋作氏の成長によって、リッツウェルは名実ともに自社設計製作業者の地位を確立したのである。【世界を撃つ】戦略はまさしく「親子鷹」の連係プレーで展開されていくものなのだ。本当に緻密な計画である。
宮本晋作氏は1978年生まれ現在。35歳。九州産業大学を卒業して、飛騨高山の家具製作会社に入る。入社・就職というものでなく、家具職人として腕を磨く目的で飛騨高山に籠ったのである。
3年間、職人の修業をして25歳で単身渡伊した。ミラノ近くのクラシック家具を製作する工房で職人技術を習得することに一心不乱努力をしたのである。イタリア語を理解できて渡伊したのではない。「イタリア家具を極めたい」という若者の一心さで行動したのである。
この親子の共通の特性は大言壮語なことは一切なく秘めたる情念・思いを密やかに実行するパワーが桁外れにあるということだ。
<継続こそが力なり>
東京に進出して大変な拡販活動を行なった経験を組織で共有している。いろいろな設計事務所にも訪問した。その数は無限である。あとで施主になってくれるお客から説明を求められたことも、頻繁に経験した。ジワジワとリッツウェルのブランドが見いだされるようになった。「東京進出に確信が持てたのは3年間かかった」と宮本社長は当時を振り返る。【東京を撃つ】ことに自信を抱いたとするならば【世界を撃つ】ことに確信を抱くまでには一体、どのくらいの時間を必要とするのか!!
「継続は力なり」という名言があるが、1年、2年という短期間で世界に通用するブランド創りに成功するわけがない。道は厳しい。「10年間、単独ブースを出展させて多少、認めていただくようになるという気持ちを持って対応しないと道は拓くことはできない」と宮本社長は【世界を撃つ】戦略の長期戦を解く。今回は3,000万円の投資に対して1億円の商談契約が可能な状態である。
狭い世界であってもリッツウェル・宮本社長の世界市場へ撃ってでる事業家マインドには感服する。
このシリーズでは【東京に、世界に撃つ】攻撃心溢れる経営者を紹介していく予定である。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮本 敏明
所在地:福岡市博多区板付5-2-9(福岡本社)
東京都港区南青山2-13-7(東京ショールーム)
大阪市中央区南船場4-7-6(大阪ショールーム)
設 立:1992年5月
資本金:2,000万円
TEL:092-584-2240(本社)
03-5772-3460(東京ショールーム)
06-4963-8777(大阪ショールーム)
URL:http://ritzwell.com/
<PRESIDENT PROFILE>
宮本 敏明(みやもと・としあき)
1945年福岡市生まれ。北九州大学卒業後、地場家具業界で経験を積み、イスの魅力にとりつかれて、92年5月(株)リッツウェルを創業。
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