そのほかにも、今回の沈没事故には疑問点が多すぎて、捜査が進めば進むほど国民の怒りは日増しに高まっている。
セウォル号の増設工事を請け負った会社は、船舶の定期検査が主業務であり、3~4年前から増設工事を手がけた会社で、5,000トン以上の船舶の増設工事にはまったく経験のない会社であると伝えられている。
セウォル号は去年の1月に復元力の検査を担当し、基準に適合すると判定しただけでなく、非常救命ボード46個のうちに44個が合格を受けたが、1個しか正常に作動しなかった。
それから、乗客の安全を最優先し、救助に当たるべき乗組員15名は船舶を捨てて先に脱出を図った理由と行跡も調べる必要がある。
船舶の輸入、改修工事、検査など運航管理の全過程を調べると、旅客業界の問題点が浮き彫りになり、捜査対象が増えるかもしれない。
安全よりも企業の利益追求を優先し安全管理を軽視した経営者に対しても捜査や税務調査を本格化させている。
韓国国民は今回の事故が韓国社会を象徴しており、ここでしっかり反省して国のシステムを改善しないと韓国は先進国になれないと危機感を覚えている。
上記に挙げた事故原因以外にも、今回の事故の代表的な原因を挙げるとすると、安全意識に鈍感であること、それから間違った民主主義である。
それは他人のことであって、私にはそんなことは起こらないという漠然とした危機意識、それが今回のような大惨事を招いている。
それから危機に対応する能力が問われているが、残念ながら今回の事件でそのもろさが露呈している。
韓国は、世界の類のない成長の成功モデルでもある。1953年の韓国戦争で廃墟になった状態から何とかして飢えを凌ぐために、一生懸命頑張ったのが実を結び、先進国の入り口まできていて世界の注目を集めているのも事実である。
しかし、短期間で圧縮成長を成し遂げる過程でいろいろな歪みが露出しているのも事実である。過程がどうであれ、お金持ちになりたいがあまり、手段を選ばない側面がないわけではない。今回の海運会社、その経営者、公務員など、安全よりも利益追求とお金にこだわる体質が、このような事故につながったと反省している。
この辺でもう一度深く反省し、グローバル世界の市民に相応しい矜持の持てる韓国に生まれ変わることを期待する。
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