<3.社外取締役の役割について>
みずほFGは社外取締役の権限を強化するため、指名委員会及び報酬委員会のメンバーは、委員長以下全員が社外取締役。そのため指名委員会はFG傘下のみずほ銀行やみずほ証券などのグループ幹部人事にも大きな権限を持つことになる。
監査委員会
指名委員会と報酬委員は全員社外取締役となるが、監査委員会のメンバーは5名のうち、社内取締役が2名、社外取締役3名の構成となる。委員長はみずほFGの高橋取締役が就任する。
<4.上記表から見えるもの>
(1)今回新しく社外取締役に選任された3名のうち、取締役会議議長に就任予定の大田弘子氏は60歳と若いが、経団連の次期会長としての呼び名が高かった日立製作所前会長の川村隆氏は74歳、元最高裁判事の甲斐中辰夫氏(弁護士)は74歳であり、共に高齢である。社外取締役の人選にみずほFGが如何に苦労したかが垣間見える人選である。
(2)また現在社外取締役となっている大橋光夫氏は78歳、安楽兼光氏は73歳、野見山昭彦氏は80歳であり、社外取締役6名の平均年齢は73歳である。この顔触れを見ると功成り名を遂げた人達であり、彼らの過去に培った経営ノウハウが、みずほFGの経営を刷新に通用するかどうかが問われることになる。
(3)指名委員会および報酬委員会の委員は全員社外取締役であり、大きな権限を有することになるが、実際にはみずほFGから上がってきた資料を参考に適否を判断することになる。
また監査委員会も5名のうち3名が社外取締役で過半数を占めてはいるものの、同様にみずほFG内部から提出された資料をもとに裁定を下すことになる。果たしてみずほFGが真正な資料を提出してくるのかどうかが問われるとともに、各委員会が本来求められている機能を十分発揮できるかどうかが問われることになる。その成否如何によってみずほFGが、ビッグバンの一角として生き残れるかどうかの岐路に立たされていると言っても過言ではないのかもしれない。
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