流通業界の激戦区、関東圏への進出は、地価を始めとする立地条件も厳しく進出するのも容易ではない。そのようななか、新たな店舗立地を求めて関東圏へと進出していく食品スーパー(SM)もある。あえて厳しい市場へ打って出るSMの存在は、同時に地域密着型を目指す同業界にも力を与える牽引役とも言える。
<新横浜プリンスぺぺで成城石井と共存>
(株)ハイマート(福岡市西区、後藤圭介社長)は、食肉ミートイン・ハイマートの実績を基に2011年12月に静岡県清水市にフードウェイ業態で出店した後、着実に関東地域での店舗を増やし、13年11月には横浜市にフードウェイ新横浜プリンスペペ店(以下、新横浜店)を出店した。同施設は西武プロパティーズをデベロッパーとし、新横浜プリンスホテルとつながる大型商業施設。同社は地下1階から4階までのフロアのうち、成城石井があった地下1階の大部分である450坪に出店した。施設には他に成城石井、GU、無印良品らが入居する。同社代表取締役社長の後藤圭介氏は、ここでの年商を25億円と見込んでおり、「12月上旬の時点で2億円弱」と計画通りに進んでいると語る。
出店の目的は市場人口の豊かさ。関東圏は、九州圏のように、1つの大型都市の周辺を小規模都市が取り囲むのではなく、人口が多い大型都市同士が隣接している状態だ。これらの大規模都市を商圏として取り込むことができれば、売上高の大幅な拡大が期待できる。もちろん競合店も多いが、後藤氏はそれよりも集客力の高さに期待している。関東で商圏を拡大することへの戸惑いはない。食肉業界からSMに参入した同社は後発。すでに競合が生じているなかで、地域密着型を貫いてきた。しかし、代表の出身企業である明治屋産業などが、直方から全国へ店舗展開していくのを見て、SMも同じように関東圏に出て店舗を広げ、競合できるのではないかと考えるようになったという。その後、グループ企業のミートイン・ハイマートが関東へ出店した。SM出店に先駆けて同地域に腰を据えるスタッフがいたことも、積極的な関東圏への進出の鍵となったと思われる。
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<COMPANY INFORMATION>
(株)ハイマート
代 表:後藤 圭介
所在地:福岡市西区小戸3-24-53
設 立:2000年6月
資本金:7,300万円
URL:http://www.highmart.co.jp/
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