ここで問題融資に対する監査役のチェック機能がどうだったのかを見てみたい。現在みずほFGは下記表の通り監査役5名、うち社内の常勤監査役が2名、社外監査役3名が就任している。
一方反社会的勢力への問題融資を直接取り扱っていた現在のみずほ銀行の監査役は、下記表の通り、常勤監査役2名、非常勤監査役4名となっている。
(3)上記の表から見えるもの
みずほFGの舟木常勤監査役、みずほ銀行の原田常勤監査役は2013年6月、共にみずほコーポレート銀行から転出して監査役に就任しているが、その直後の9月27日に金融庁から問題融資について業務改善命令を受けており、責任を問われなかったと思われる。そのため舟木監査役は委員会設置会社に移行する今年6月、新任取締役候補に名を連ねており、引き続き監査委員会の委員として監査業務を担当することになっている。
・残りのみずほFG監査役4名、みずほ銀行監査役5名は、2012年12月に金融庁が検査に入り、反社会的勢力に対する問題融資に対して改善するように指摘を受けていた時点では既に監査役に就任済みであり、その責任は重いものがあると言えよう。
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