<元気と活力を提供する「フォルツァ」>
ハイアットブランドの最高峰「グランド・ハイアット福岡」を中核に、ラグジュアリーホテルからビジネスホテルまでさまざまな形態のホテルやスポーツ施設を運営する(株)エフ・ジェイホテルズ。藤木辰正社長は、「弊社は、福岡地所グループのホスピタリティ部門として、『おもてなしの心』を常日頃から皆で学び合っています」と語る。今、最も注力しているのが、新しい価値観を持つビジネスホテル「フォルツァ」ブランドの展開だ。「フォルツァ」とは、イタリア語で「活力・元気」という意味。このブランド名を持つ同ホテルのテーマカラーはオレンジ。太陽や南国の果実を思わせるようなビタミンカラーで生命力と暖かさに満ちている。
フォルツァの第1号「ホテルフォルツァ大分」ができたのは2008年。同社にとっては福岡県外に初めて開業したホテルでもあり、その独創的でデザイン性の高い内外装や空間設計から「プレミアムビジネスホテル」とも呼ばれた。ホテルとはただ眠るためだけの場所ではなく、質の高いサービスを味わっていただくための場所、というコンセプトに基づき、シティホテルにも劣らない快適性を提供するのが特長だ。いつもの出張が快適な旅に変わる、と口コミで評判を呼び、5年後には、各ウェブサイトで大分の快適なホテル№1と評価されるまでになった。
従来、ビジネスホテルは、日常生活の一部のようにシンプルでお金をかけずに泊まれることが最優先で求められる。バブル崩壊後は個人旅行者なども同様の傾向を見せるようになり、シンプルで清潔、そして低価格というビジネスホテルが人気を博した。新しいビジネスホテルとして集客率を高めるには、施設や設備、つまりハード面の充実という、あえて削減していた部分に光を当て「おもてなし」をする必要があった。そのなかで、ビジネスホテルにおける次世代のおもてなしを徹底的に追求したのが「ホテルフォルツァ大分」だった。
既存のビジネスホテルにありがちな「狭い」「暗い」「無機質」などの声をすべて解消させ、「広い」「明るい」「モダンでオシャレな空間」を実現した。ビジネスマンたちは居心地の良い空間で気持ち良く目覚め、活力をつけた。そのほかにも、ホテルフォルツァ大分を拠点として近隣の温泉地へ足を延ばすという、ビジネス以外の利用客も増えた。
<訪日外国人観光客の取り込みを計る>
「フォルツァ」第2弾として12年に開業した「ホテルフォルツァ博多」は、福岡市の博多駅近隣にある。藤木社長が期待するのは、訪日外国人観光客需要による利用客の増加だ。JNTO(日本政府観光局)の推計によると、13年の訪日外客数は、1964年の統計開始以来、初めて1,000万人を突破し1,036万4,000人となった。また、同年12月単月は前年同月比25.4%増の86万4,600人で、過去最高を記録した12年を17万5,000人も上回った。藤木社長も、「ホテル業界は、アジアを中心とした外国人観光客の増加を背景に、好況が期待されています。このようななか、弊社では海外からの個人旅行者数の高まりを、戦略に活かしていこうと考えています。その要が『フォルツァ』ブランドなのです」と語気を強める。格安でありながら、長く滞在しても疲れないプレミアム感のあるビジネスホテルが格好の宿泊施設であることは、外国人旅行者にとっても同じだ。「ホテルフォルツァ博多」は、国内外、宿泊の目的を問わず増える利用客のために、各部屋にはiPadを常備。宿泊数によって溜まるポイントカードをつくり、ポイントが溜まったら最新iPadをプレゼントするというサービスも実施している。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤木 辰正
所在地:福岡市博多区博多駅東2-14-1
設 立:1978年3月
資本金:9,950万円
TEL:092-473-7117
URL:http://www.fj-hotels.jp/
<PROFILE>
藤木 辰正(ふじき・たつまさ)
福岡県粕屋郡宇美町出身、1950年10月生まれ。福岡大学法学部卒。証券会社勤務を経て、1977年に福岡地所に入社。開発本部長、常務時代には「マリノアシティ福岡」や「リバーウォーク北九州」など、多くの商業施設の開発を手がけた実績を持つ。
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