<立ち位置はあくまで裏方で>
アンドスマイルにとっては、エムジーエスがラーメン店向けのとんこつやチャーシューを扱っていることで、食材をロスなく仕入れられるメリットは大きい。
反面、エムジーエスはらーめん二男坊が有名になったため、競合する何社かとは取引がなくなってしまったという。
「ラーメン店を運営することで、業態のプロデュースや経営ノウハウの提案もできます。現に関東のラーメンチェーンから社員教育について相談を受けましたので、梅本に対応させました。エムジーエスはあくまで裏方の仕事ですから、食材の取引などが発生すれば、対応していくという立ち位置です」と手島社長。
ラーメンチェーンのビジネスモデルを確立させれば、同業者にも食材の卸し先が広がることは考えられる。そちらの方が目先の利益を取るよりもはるかに得るものは多いだろう。
アンドスマイルの経営陣は皆30代と若い。独断専行に陥る危険性もあるが、「やりたいことは極力やらせたい」と手島社長は言う。梅本社長らは方向性は全員で話し合って決めるのがモットーのようで、こうした慎重かつ大胆な経営に全幅の信頼を寄せているようだ。
「ヤフーの決定戦は全国が対象ですから、私は醤油味の方が受けると主張しました。でも、スタッフは博多ラーメンとして出場するなら豚骨で勝負したいとの意見でした。そこで、後入れのチーズで個性を出したわけです。豚骨味のベースは守りつつ、新商品も開発する。毎日食べても飽きないようなラーメンづくりを目指しています」と梅本社長。
ハワイでの期間限定出店で、海外展開にも手応えを感じたようだが、現地視察してから判断するといたって慎重。どちらにしても、権限の移譲と社内の切磋琢磨が会社に良い流れを生んでいることだけは間違いない。
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安全安心の食肉を国内外から調達して安定的に供給する。また、子会社を通じて取引先に業態のプロデュースや経営ノウハウを提案する。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:手島 一敏
所在地:福岡県太宰府市大佐野2-11-8
設 立:2002年7月
資本金:4,000万円
TEL:092-918-3076
URL:http://www.mgsfc.co.jp/instanthp/page09.html
<PROFILE>
手島 一敏(てしま・かずとし)
1958年福岡市生まれ。総合商社「丸紅畜産」で食肉の輸入卸に携わった後、2002年に(株)エムジーエスを設立。国内外からの食肉の買い付け、加工において工場も物流も外部に完全委託する商物分離で、業績を伸ばす。
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