民主党代表選がこの夏にあるのかないのか。同党の大畠章宏幹事長の発言をめぐって打ち消しに躍起だが、支持率の低迷に「悩める民主党」は、地方では民主党を見限って、「恩をあだで返す」動きまで起きている。
前回(2011年)の福岡県議選(八女市区、定数1)で敗れた近藤雅幸氏が「(次回は)農政連から出るのでよろしく」と挨拶まわりしているという。前回、自治労推薦、事実上の民主党推薦候補だった。新人同士の争いで、7,600票余を獲得したが、自民党の新人に約2,400票差で及ばなかった。次回は、八女郡区(定数1)と合区され、定数2となる。八女郡区の現職で、農政連推薦の重野正敏県議は前回選挙時70歳、次は引退予定とされている。
近藤氏は前回、八女市議から県議に挑戦。八女市議時代は、民主党県連の青年局会議にも参加していた。浪人中のこの3年間、連合福岡の地域組織で事務局や民主・県政県議団所属議員の事務所長をつとめるなど、民主党関係者が"面倒"をみていた。
連合といえば、その活動原資は労組の納めた組合費。「組合は腰掛け仕事か」「信念なしで、県議になれればそれでいいのか」と憤りの声が出ている。
県都・福岡市の県議や落選組にも悩みは大きい。
早良区の現職は、古川忠(自民)、新開昌彦(公明)、宮浦寛(民主)の各氏。東区の現職は、今林久(自民)、大塚勝利(公明)、佐々木徹(民主)、長裕海(自民)の各氏。博多区の現職は、高橋雅成(公明)、堤かなめ(民主)の各氏。1議席空白なのは、博多区でトップ当選した井上貴博氏(自民)が2012年衆院選福岡1区で当選し、現在衆院議員だからだ。
東区で落選した、ふくおか市民政治ネットワーク(ふくおかネットワーク)共同代表の外井京子氏が早良区に転出して、県議会に再挑戦するという動きがある。背景には、東区で、民主党とふくおかネットが共倒れする恐れがあるからだと指摘される。すると、早良区で民主とふくおかネットが激突するので、宮浦寛議員は博多区へ転出するとささやかれている。「国替え」ドミノの様相を呈してくる。
「国替え」は、小泉郵政解散の"刺客選挙"以来珍しくもなくなったが、吉と出るのか凶と出るのか。いずれにしろ、民主党の支持率低迷がさまざまな動きを呼び寄せているのは間違いない。
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