2014年5月12日から掲載している連載記事「フリーペーパー・ガリヤ顛末記」について、匿名希望の読者の方よりいただいたご意見を紹介いたします。
2009年3月より、ガリヤに入社しました。エルフ時代より長澤社長にはお世話になっていたのと、私が仕事を探していた時期に長澤社長より直接「ガリヤで働かないか?」と誘って頂いたのがきっかけでした。
貴社の記事の通りで、入社後、一番びっくりしたのは、長澤社長があまりにも周りを見ずに独走し、他の人の意見を聞かずにいつまでも昔のままと維持しようとしていたことです。WEB関係を充実させなければ・・・という意見も再三出ておりましたが 「NETは検索機、電話帳のようなもの。紙媒体があってはじめて効果が出るもの」の1点張りでした。
記事の通り、制作部は古いMACを使用しており、一般代理店のデータ入校の際、社内では全く対応できず、印刷会社に一度開いてもらい対応している状況でした。また、営業マンは自分のPCを持ってきていたらしく、私が入社した時にはPCが全くない状況で、顧客データも全てない状況。退社する営業マンは顧客データ(WINDOWSエクセル等でまとめたもの)を紙にプリントし長澤社長に渡すのが引継ぎだったらしいです。
なぜ、データでもらわなかったのか?と長澤社長に尋ねたところ、「私はMACしか使えないからWINDOWSのエクセルでもらっても仕方ない」。どうして会社のPCがないのか?と尋ねたところ、「会社のPCだとみんなが粗末に扱ってこわれるので、自分のPCだったら大事に使うし、自宅に持って帰って仕事できるでしょう。私も自宅で仕事してるから」ということでした。
その後、2010年、11年と新入社員を入れ 結構順調に売上も推移していきましたが、WEB構築や諸々の話になると長澤社長は首を縦に振らず、営業部長(次期・編集長)や比較的勤続期間の長い(と言っても1年程度)社員と試行錯誤していました。
長澤社長曰く、「誌面の充実、広告数の増加が一番のガリヤの復活だから、営業マンを私が育てる」と、直接面接して雇用者を増やしていきました。資金面では苦しいと聞いていたので、自社ビルを売却し、引越しましょうと数度提案しましたが、 「このビルはガリヤをまもってくれるの!」とスピリチアル的な発言も度々でした。
12年春に突然、給与遅配が始まり、夏に自社ビルを売却。13年にかけて、一方的な給与カット(社員一律25%)というひどいことを行ない、そこで一気に退職者が出て労働基準監督署が入り、元社員が労働調停を起こしたり。13年3月分より全員の給与が止まり(15,000円、20,000円程度の分割)4月末、5月末でほとんどの社員が退職しました(私を含む)。そんななか、私が「給与は払ってもらわないとみんな辞めますよ」と言ったところ、「そういう若手社員を説得して辞めない様にするのが幹部社員でしょう。大体、営業マンが売上ないのが会社の経営を圧迫していることを皆に認識させなさい」と言われました。5月末には私を含め編集長以下、制作部長も退職し、それで ほぼ全員の給与を払わなくなって良くなったのか、自社媒体で求人を募っていました。
その後のことはわかりませんが、労働基準監督署の聞き取りが始まり、13年10月には給与不払いで簡易裁判所に提訴しました。14年1月には裁判が終わり、差押えをしたので不払いの3カ月分余りを受け取りました。そんななか、3月には給与不払いで書類送検されたという新聞記事を見ました。それで倒産(自己破産)という結末です。
私は長澤社長に「ガリヤは恐竜ですよ。自社ビルの運営経費も莫大にかかるんですから。時代はエコです。事務所移転したり、経費削減をするべきです」と何度も言いました。時代の変化に耐えうる柔軟性が長澤社長になかったのだと思います。社員を信用し、もっと自由な発想とクロスメディアを進めるべきでした。長澤社長は「メサージュと自社の社員にガリヤを潰された」と思っていると思います。
貴重なご意見ありがとうございました。
※記事へのご意見はこちら