覚醒剤に似た作用のある指定薬物、いわゆる「脱法ドラッグ」を所持していたとして、九州厚生局麻薬取締部は5月15日、福岡県飯塚市の無職、安西始容疑者被告人(62)=覚醒剤取締法違反容疑で起訴=を薬事法違反(指定薬物の単純所持)の容疑で福岡地検に追送検した。4月1日に施行された改正薬事法で、指定薬物の単純所持が禁じられてから、同容疑での摘発は全国初。
同取締部によると、覚醒剤取締法違反容疑で同被告人の住居を家宅捜査した際に、指定薬物「4-Flouro-α-PVP」の粉末状0.189グラムを発見した。末端価格で1グラム約1万円という。同薬物は、覚醒剤と同様の興奮作用があり、九州北部地域で流通。覚醒剤の流通価格の約7分の1で販売されているといわれる。
同取締部によると、同被告人は容疑を認めており、昨年末ごろから使用していたもよう。
麻薬取締部では、従来から薬物取締機関であり、違法薬物の使用が社会問題になり、使用した者による事件事故が多発するなか、「捜査権限の付与、末端の所持・使用についての法の規制により、厳正に取り締まりに取り組んでいる。覚醒剤、麻薬、大麻の取り締まりも継続していく」としている。
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