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マックス長崎物語

長崎県港湾建設業の先駆け(後) 大石建設(株)
マックス長崎物語
2014年5月16日 07:00

<技術上可能な範囲で環境保全活動を促進>
 安心・安全な建築物を提供し続け、マンションから一戸建て住宅、商業施設、公共施設、一般土木、港湾土木などと、多様なニーズに幅広く柔軟に対応している。

 同社は、「初心に還り、謙虚たれ」の精神で、これまでの実績を超える事業に積極的に挑んでいる。企業活動を通じて、地球環境保全にも取り組んでいる。たとえば、東日本大震災後、問題となっているセシウムの除去・除染を行なうため、水底セシウム除去用スモールクリーナーを製作した。
 これは、もともと海の浄化作業に使用するためにつくられたサブマリンクリーナー(SMC)工法を応用したものだ。2012年8月から福島第一原発周辺地域の農業用ため池で行なわれた「平成24年度セシウム汚泥底泥除去実証実験」で、ため池全体の88%の水底セシウムを除去した実績を持つ。

 このように、社会のニーズに合った技術革新への注力を惜しまない同社。「環境に配慮したまちづくり、社会貢献を企業活動のなかで行なっていきたい」(宅島社長)と言うように、環境保全活動にも余念がない。

<起重機船を新造、港湾建設業界全体を見据えた取り組み>
起重機船第八大生 出発点の港湾土木では、海上工事に不可欠の作業船を新造。13年7月、550トン吊大型クレーンを搭載する起重機船「第八大生」が完成した。長崎港湾建設業界として11年ぶりの新造作業船である。長崎県全体で作業船の数が約70隻と減少してきている。「作業船がなければ、海上工事ができない」と全国で危惧されるなか、港湾建設業界全体の新たな飛躍に向けて、公共事業費抑制という民主党政権下の12年6月に起工する大英断だった。現在、同社では作業船を9隻所有する。

 建設業界がバブルに沸き、各地で下請け不足、職人不足が深刻化している。国は、公共事業の労務費単価を相次いで引き上げ、社会保険の加入促進など「担い手」の確保を進めている。宅島社長も「今、下請けがいないという実態はよくわかる」という。若い頃には、3年間、『飯場生活』を送り、現場でトラックや重機の運転に従事した。真夏の太陽が照りつける暑さのなか、今のようなスポーツドリンクのペットボトルなどがない時代、塩をなめながら、日本のインフラを支える苦労をともにした。現場労働者と一緒に汗を流して働いた体験から、現場労働者の気持ちもよく理解している。

 離島が多く、海岸線の長い長崎県は、海上工事が果たす役割は、日常生活、防災、産業インフラと幅広い。戦略的長期的な視野で県経済、建設投資を見据える宅島社長の経験と知恵に磨かれて同社は輝きと存在感を増している。

(了)

≪ (前) | 

<COMPANY INFORMATION>
代 表:宅島 壽雄
所在地:長崎県佐世保市ハウステンボス町4-52
設 立:1933年7月
資本金:4,850万円
TEL:0956-58-7733
URL:http://www.ohishi-net.co.jp/

<PRESIDENT PROFILE>
宅島 壽雄(たくしま・としお)宅島 壽雄(たくしま・としお)
1944年生まれ。79年、宅島建設(株)の代表取締役に就任。2011年に代表を退いた後、12年8月、グループ企業の大石建設(株)の代表取締役に就任。そのほか、雲仙市商工会会長、長崎県商工会連合会会長を務める。


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