台湾教育の現状を報告し、九州各県の高校の「台湾への修学旅行」をPRする「台湾教育の現状と修学旅行セミナー」が19日、福岡市内で開催され、教育関係者や旅行会社の関係者ら約100人が出席した。
領事館にあたる台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長(総領事)は「台湾は世界一の親日国家で観光交流、人的往来が頻繁だ。一方で、日台両国の青少年は、互いに相手国に関して浅い認識しか持っておらず、『修学旅行』の重要性は高い。台湾の近代化のために犠牲となった日本人たちについて学ぶことで理解も深まる。修学旅行が、日台友好の架け橋となった先人ゆかりの場所を訪ね偉功を偲ぶことで、生徒たちが世界に大きく眼を開き、日本人としての自覚と国際感覚を身につける契機になることを願っている。今後、九州各県の高校が陸続きのように台湾への修学旅行を実施し、多くの高校生が台湾を訪問することで、各県と台湾間の観光、物産、交通の活性に繋がれば」と挨拶した。
2011年から毎年、台湾への修学旅行を実施している熊本県立大津高校の白濱裕前校長は「我が国の若者の『内向き志向』が指摘されている。国際化が進展するなかで、国際感覚を磨き、日本人としての自覚を持たせるためにも、外国の若者と交流することが必要と考え、台湾への修学旅行を実施した。台湾は生徒の安全確保の点をはじめ、親日的な人々が多くて治安も良い。また、各地に日本統治時代の建物や遺跡が大切に保存されており、台湾の近代化に尽力した先人の遺徳を偲ぶことで、日本人としての誇りと自覚を深めることができる」と、台湾修学旅行のメリットを語った。
昨年、日本から台湾への渡航者は142万人、台湾から日本への渡航者は234万人で、深い交流が続いている。台湾への修学旅行を実施した全国の学校は約120校で、現地の生徒との交流イベントが日程に組み込まれている。
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