＜さまざまな意見が交わされた「第12回全国大会」開催＞
　2013年12月に、CRCによる「第12回全国大会」が北海道洞爺湖町で開催された。当日は地元金融機関の理事長をはじめ、各地の金融機関の経営支援担当者を含めた会員総勢70名あまりが参加。金融円滑化法後の出口戦略への取り組みや経営革新等支援機関を活用した再建支援の方向性など、企業の再建・承継支援のあり方と方向性について、講演や事例報告、パネルディスカッション等が行なわれた。

　大会では冒頭、真部敏巳代表理事によるCRC全体の活動報告が行なわれた後、「金融円滑化法後の出口戦略への取り組みと専門家連携」と題したパネルディスカッションを開催。金融機関担当者からは、実抜計画策定で数字面を中心に条件変更を行ない、他行折衝もしたが、計画１期目から事業面の結果が出ず、大幅な予実乖離が出たため、専門家組織であるCRCとの提携を考えた、との意見が出された。

　その後、中小企業の企業再建の現場で活躍する全国の各業種のTAMが登壇。ある飲食業支援のTAMが、P/Lの改善、CFの改善は、全員を巻き込みながら、実施している。債権者に安心感を持ってもらい、従業員にはやりがいを持ってもらう。TAMは計画策定したものを現場で具現化することだと言い切った。

　また、CRC特別顧問弁護士の山岸洋氏からは、現在、金融機関に対して積極的な活用が求められているABL（動産債権担保融資）に関して、「ABLは、売掛金や動産を担保に運転資金の供給を行ない、継続的なモニタリングを行なっていくものですが、とくに窮境企業に対して実行するのは、流動資産を担保に取らざるを得ない点、企業の真の再建の視点からも慎重を要します。ABLは健全な金融を維持するためにも、格付けの高い企業に対して実施するべきであって、事業再建の手段として用いるのは誤りです」との意見が出された。

　この点について、CRC執行役員の寺岡雅顕氏も、ABLは固定資産のなかの動産を対象に考えるべきで、流動資産をABL化してしまうのは間違いではないかとする。「金融機関は通常、１年以内に資金化できる資産を流動資産として扱っていますが、その資産をABLとして担保化することによって、これまで正常な運転資金としてみていたものが、担保されない赤字資金として扱っていかざるを得なくなります。流動資産へのABL対応としては、事業再建の局面で考えるのであれば、たとえば季節資金支援の局面で優先弁済確保の目的でDIPファイナンス的に活用される場面に限るべきでしょう」（寺岡氏）。
　大会ではほかにも金融機関の役割についてなど、各専門家の視点からさまざまな意見が交わされた。

＜企業が抱える問題に合わせ適材適所の専門家を＞
　企業再建は、財務・経営・法務などの幅広い知識が要求される。事業調査・分析から金融戦略、タックスプランまで、広範な専門知識が集約されて初めて再建が実現できると言える。さまざまな人材を抱えるCRCでは、企業が抱える問題に合った専門家を『適材適所』に紹介するシステムを構築し、強みとしている。問題を抱えた企業の方と面談を行ない、適材適所の専門家をコーディネートし、場合によってはTAMを出向させて実行支援を行なうことも可能である。この出向支援は、約300件の企業の調査分析を行なってきた結果、再建には必要不可欠と判断されたものだ。

　「企業支援を担当される方は、専門以外のことは専門家の協力を仰ぎ、経験を積まれることでご自分の守備範囲を広げていってほしいと思います。これからの時代、企業支援を必要とする企業は増えてくるでしょう。そのときに頼れる専門家が増えてほしいと願っていますし、企業自体にも自社を見極める目を肥やしてほしいと思います」と代表理事の真部氏。企業再建や企業承継を考える中小企業にとって、CRCは何よりも心強い味方となってくれる。

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＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：真部　敏巳
所在地：東京都千代田区神田司町2-2-7 パークサイド1ビル6F
設　立：2001年６月
ＴＥＬ：03-5296-2224
ＵＲＬ：http://www.CRC.gr.jp/

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