ボルテックは４年前にキューエイ（株）より分離して発足。太陽光発電システム販売・施工で急成長を遂げている。業界には営業力に秀でた企業が少なくないなか、同社は施工力を武器に受注を伸ばしてきた。代表の三宅氏は「いかに工事を安定させるか、いかに工事を増やすか」に意識を傾けてきた。営業担当者に徹底しているのは「太陽光発電やエアコンといった工事が付随するもの以外は絶対に売ってはならない」ということ。パネルなど商品だけの販売はしない。工事が付随する受注を続ければ業績を安定させることができる。太陽光発電やオール電化の仕組みが高回転となっているのは「まず施工」に徹したことによる。

　そうした考えはパネル選択にも現れる。スケールメリットや施工効率を考えればパネルの仕入先は特定のメーカーに絞ったほうが得策だ。だが同社は顧客自身にパネル選定を委ねる。カタログには12社の比較が詳細に記述してある。発電量はもちろん、保証期間、製造国まで。各社の強みは歴然でメーカーに敬遠されるのでないかと懸念も沸くが「パネルは発電量だけでは決まりません」と気にしない。例えば環境重視か投資目的かで選択されるパネルは変わって来る。実際にメーカーから苦情などは１件もない。当然、利益のみ追求する販売はしない。かつて、ある販売店は１枚でも多くのパネルを使ってもらうために、家屋の影ができるような部分にもパネルを設置しようとしたことがある。しかし、１枚に影ができればそれにひきずられて他のパネルの発電力も落ちてしまう。お客のことを考えれば、陰になる部分にはパネルを設置しないほうが良いのは当然のこと。その販売店の受注は丁重に断った。

　現在の施工件数は年間およそ1,000件。熊本と宮崎に事業所を置き、他社の工事も引きうける。強みがある一方、弱点もある。太陽光事業は利益が出るのに時間もかかる。その上、ボルテックでは押し売りのようなガツガツとした営業はしない。飛び込みやせずあくまでお客を待つ。営業ノルマはお客がいてこそのものであるとの考えがあるからだ。三宅氏から見れば会社の役目はお客様からの問い合わせを増やすこと。営業マンの仕事はいかに問い合わせから契約を決めるかということだ。施工至上主義をとる同社にとって作業員の存在は要だ。しかし、確かな技術を持った作業員が、この先何十年も危険な屋根の上にのぼり続けられるわけでは決してない。そのことを考えると、作業員が屋根を降りたときに、会社の中で次の職種に移ることのできる仕組みを作ることは重要な課題だ。工事から営業へ移った者が工事のノウハウを生かしてものを売ることができる仕組みを作るのが長期的な課題だ。

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＜COMPANY INFORMATION＞
（株）ボルテック
代　表：三宅真二
所在地：福岡県筑紫野市天拝坂1-9-1
設　立：2010年５月
資本金：500万円
業　種：太陽光システム販売

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