4.預貸率について(2)
◆平均預貸率は73.4%となっており、22行中11行が平均以上であり、11行が平均以下と丁度半々となっている。前回に続き第12位から第22位までを見てみよう。このグループでは第一地銀が8行、第二地銀3行となっており、第一地銀の預貸率が低いのが目立つ。
◆上記表から見えるもの
(1)平均預貸率以下ではあるが70%以上の銀行は4行ある。第12位の筑邦銀行が72.2%、第13位は鹿児島銀行の71.7%、第14位は西京銀行と宮崎太陽銀行が同率の70.9%。
このなかで鹿児島銀行が貸出金を前期比1,535億円(6.8%)増加させ、預貸率は70.7%から71.7%へ、また西京銀行も貸出金を前期比636億円(9.6%)増加させ、70.2%から70.9%と上昇している。鹿児島銀行と西京銀行は預貸率を大きく改善したことから、今後安定した収益を確保することができるようになる。
(2)第16位のもみじ銀行は67.8%、第17位の大分銀行は65.0%、第18位の山口銀行は64.3%、第19位の佐賀銀行は63.8%、第20位の親和銀行63.2%、第21位の肥後銀行は62.3%。肥後銀行までが預貸率60%以上であり、第22位の十八銀行は58.8%と、22行中ただ1行だけ50%台となっている。
この7行のなかでは、もみじ銀行だけが第二地銀。もみじ銀行は貸出金を前期比993億円(5.9%)増加させて64.8%から67.8%となり、70%台に乗せるにはもう一歩のところまで来ている。一方、大分銀行以下残り6行は第一地銀であり、各県のトップバンクであるにもかかわらず、預貸率は65%以下となっている。貸出金が低迷しているのは、人口の減少にともなう地域経済の縮小が予想以上に深刻であることの証左なのかもしれない。
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