<メガソーラー、地熱発電スタート>
環境関連ビジネスとしては、まず、芝浦グループホールディングス(株)との共同事業であるメガソーラー事業が挙げられる。現在4サイト(嘉麻市、飯塚市鯰田、みやま市で2基)で合計約8メガの発電所に対し、リース等の取り組みにより、事業化している。また、嘉麻の案件については、12年7月の再生可能エネルギーの固定買取制度の施行と同時に発電を開始した非常に有意義な案件である。
次に低温の蒸気で電気を起こすバイナリー(地熱)発電の事業が挙げられる。これは、温泉地の環境を活用することで、天候の影響を受けず、24時間安定的に電力供給できるクリーンエネルギーとして注目が集まる。同社が開発するバイナリー発電の特色の1つは、蒸気を活用するため吸い上げるパイプ管の詰まりが発生しないこと。通常の地熱発電では、温泉を汲み上げる工程で、その成分によりパイプが詰まるという事象が発生していた。その課題をクリアし、安定的な電力をつくり上げることが可能となった。また、地元の温泉経営者と共同で事業を運営することも特色だ。こちらは14年3月に熊本県の小国町で第1号の操業がスタート。
<LED照明レンタル 地域密着の営業を礎に>
最後にLED照明のレンタル事業が挙げられる。同社の本社が入るビルにおいても全室LED照明が採用され、年間43.1%の照明に関する電力の消費を削減している。3年前から事業を展開し、すでに5万本を供給。今後は、オフィスビルだけでなく、病院・商業施設・工場など比較的長い時間照明が必要とする事業者への提案も拡大していく方向性である。
これら事業は、長年同社が培い構築してきたリース事業が礎となっている。その礎は、地元福岡と中心とした地域密着での営業活動によりつくり上げられたことは、業界内外で認められている。
<エキスパート育成の土壌が確立>
リース事業を基軸に創意工夫された事業をつくり上げる同社だが、過去、バブル崩壊による多大な不良債権の発生やリース会計基準の改定により苦戦を強いられることとなり、経営面において苦しい時期を経験したこともある。だが、それらの局面で、不良債権の処理を含めた財務体質を強化・改善し、マネジメントを最適化してきた。
その経験を踏まえながら、堅実経営を実践しつつ、持ち得るビジネスモデルを最大限に活かして、営業活動のフィールドを広げている。
同社では、リースにおける単なる『物融』という概念で顧客に対応するのでなく、経営サポートという哲学で顧客の求めるサービスに徹底して求めることで、それらの仕様に合わせた提案を実践している。
その同社の原動力となっているのは、高いスキルを持った社員=エキスパートの存在だ。
同社の社員はそのほとんどが生え抜きであり、各々の分野で1人ひとりが非常に高いスキルを備えている。各人が持つ高いスキルで、さまざまな難局に立ち向かい、それを苦労しながらも処理してきたことで、ノウハウが培われてきたものである。すなわちエキスパートを育成する土壌が同社には確立されており、それは新人の教育にも反映されている。
要するに、社員の定着率が良好である証である。これは、社員が常にチャレンジできることで経験を積んで能力を高め、それらが同社の無形の財産として培われている。この風土こそが同社の実績と厚い信頼となっており、地場企業の発展と地域経済の活性化に貢献している。同社の歩みは、まさに真の共存共栄を具現化しているお手本なのである。
≪ (前) |
<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤丸 修
所在地:福岡市博多区博多駅前4-3-18 サンライフセンタービル
設 立:1974年11月
資本金:29億3,330万円
TEL:092-431-2530
URL:http://www.k-lease.co.jp/
<PRESIDENT PROFILE>
藤丸 修(ふじまる・おさむ)
1944年10月、福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、67年4月に(株)西日本相互銀行(現・(株)西日本シティ銀行)入行。総合企画部長、取締役本店営業部長などを経て、2002年6月に同行専務取締役に就任。04年6月に同行を退任し、(株)エフエム福岡副社長、05年6月には同社代表取締役社長に就任。10年6月、(株)九州リースサービス代表取締役社長に就任した。
※記事へのご意見はこちら