29日、福岡商工会議所が主催する「会社合同説明会」が福岡国際会議場で行なわれた。この会社説明会は、中小企業の人材確保と雇用の促進を図るために、毎年開催されている。今回の参加企業は114社で、前回の104社から10社増加した。増加した要因は、市場の景気回復が顕著になり、質の高い人材を確保したいという企業側の意図が反映されたものと思われる。それだけに、与えられたブース内で、色とりどりの飾りつけを行なう企業もあり、代表自ら学生に企業PRを行なう企業ありで、熱いPR合戦が繰り広げられていた。
対して、企業を訪問し求職する学生も、熱心に担当の説明を聞いていた。しかし、学生の売り手市場とも言える現在「やはり、知名度の高い大手企業などに人気が集中している傾向があります」とある企業の人事担当は語る。また、学校の進路担当者も同会場を観察しつつ「地場の中小企業にも優良な企業があり、自分のスキルを活かすことができる環境もあるので学生には進めているのですが」と大手ありきの就職活動に困惑気味だった。
この就職事情から市場を垣間見ると、新卒を供給する学校側にも深刻な問題があるようだ。少子化の影響で大学の選択肢が広がり短期大学などが人気薄と言われている。そのため、学生が集まらず、廃校に追い込まれる学校もあるようだ。
今回の「会社合同説明会」はより質のいい新卒者を採用したい企業側と、企業に送り出し実績を積み知名度を上げて、学生の確保を進めたい学校側との思惑がより増しているように思えた。中小企業と熱意のある学生との相思相愛を切に願う。
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