<即金で車を買う富裕層>
ラオスでは、ほかの東南アジア諸国と同様にバイクの所有率が圧倒的に高いが、このところ車の数が増えている。2013年第一四半期政府統計によると、バイク1万963台、ピックアップトラック2,314台、セダン1,703台、トラック1,090台、ジープ591台、その他590台という状況だ。
たとえばラオスでバイク(日本産)を購入すると、平均1台2,000USドルで、金利は2.5%。低いかと思えば、これは年利ではなく月利になるので、単純計算で年利は30%になる。そして購入者の半分がバイクを購入するためお金を借りている。返済事故の確率は2.5%前後という。
一方、車はどうか。ラオスで一番人気のピックアップトラックは1台4万USドル。顧客がオートローンを組むと、金利は1.5%。これも月利なので、年利に直すと18%。こちらは購入者の95%以上が即金で車を購入している。ラオスの1人当たりのGDPが1,500USドル/年であるから、車を即金で購入できる富裕層が成長しているということがわかる。
なお、ラオスの為替は、過去10年間を振り返ると、タイの通貨危機の際には大幅に変動したものの、ここ数年は非常に安定しており、ラオスの通貨、KIP高の傾向が続いている。2年前ラオスで10億KIPを両替すると1,000万円であったが、5月13日現在では1,270万円となっている。
ファイナンス業の参入に対しての外資規制は現時点ではない。ラオスの国立銀行よりライセンスの許認可をとるだけである。
<ラオスの金は儲かる?>
また、ラオスでは金や銅の輸出が重要な外貨獲得資源となっている。ラオスで有名なセポン鉱山運営会社の、2010年のラオスでの納税額は9,925億KIP(126億円)。1社からの納税額がラオス政府の国家予算の20%以上を占める計算だ。たしかにラオスの市場に行くと金がよく売れている。ラオス人は通貨や銀行をあまり信用しておらず、資産を金で持ちたいという人も少なくないのだ。
ラオスの金は、日本のマーケットに比較して5%安い。ラオスで純度99.9%の金を購入して日本に持ち帰り、換金すれば5%の利益を得られるかもしれない、ラオスで大きな金脈を見つけたかと密かに大喜びする。しかし世のなかそんなに甘くはない。まずはテストするのが重要だ。
ある市場で24金の飾りのついていない指輪を購入した。そこではさすがに金はバーの形で売買されていなかった。
そして日本に帰国し、24金純度99.9%の金を分析回収業者に依頼して調べたところ、純度96%と判明した。5%安く仕入れた金、その純度が3.9%低かったということで1.1%の利益ということになる。加えて分析料の請求があり、5%儲かるどころかマイナスになってしまった。
日本の業者から、新興国の金は、精製能力が低いために、彼らの国では99.9%の純度という扱いをしているのであって、だます意図があった訳ではない、と慰めの言葉をかけられた。
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