福岡市と韓国釜山市の経済交流を活発化させるためのヒントを探る「福岡-釜山ビジネスCEOフォーラム」が22日、福岡市内で開催された。両市・両商工会議所の関係者、一般市民など約100人が出席し、セウォル号沈没事故の被害者に1分間の黙祷で哀悼の意を捧げた。
福岡商工会議所の末吉紀雄会頭が「両都市は、経済・文化・芸術など様々な分野で交流が活発だ。日韓関係は政治的問題もあるが、経済界では両国が引き続き、有効な関係を維持・発展させていくことが重要。未来へ向け、ビジネスの成功事例を挙げながらどのような協力を薦めていくかを模索していきたい」と挨拶した。釜山商工会議所の趙成濟会長が「福岡市が身近で親しく感じている。フォーラムの開催に尽力した自治体関係者に感謝したい。国家間のビジネス関係は、お互いへの関心と信頼から始まると思っており、フォーラムが出会いと交流を促進し、実質的なビジネスパートナーを見つけるのに大切な拠点となることを願っている。両都市が融合すれば必ず良い結果に繋がると確信しており、相互交流に一層尽力いただきたい」と述べた。
福岡市と釜山市は、1999年9月に「福岡・釜山地域間の経済交流促進に関する基本合意書」を締結。2008年10月には「アジアンゲートウェイ共同キャンペーン推進に関する宣言」を行ない、2010年からは「協力事業推進委員会」を実施している。ビジネスフォーラムは2010年9月に第1回が開催され、同年から「貿易商談会」も行なっている。福岡市の中園政直副市長は「福岡と釜山広域市は姉妹都市の締結を行ない、青少年、経済、文化など様々な分野で交流を行なってきた。フォーラムは今後、両市がどのような連携ができるかを探る貴重な機会になるだろう」と欠席した福岡市・高島宗一郎市長の言葉を代読した。
「韓国・九州経済交流の現況とビジネスCEOフォーラムへの提言」と題して基調講演を行なった駐福岡大韓民国総領事館・朴鎭雄総領事は「韓日両国は体制、および、理念を共有する東北アジアの中心軸となり、中長期的には関係回復すると見込まれる。総領事館としても、政治・外交の理由で韓日関係が悪化することを防ぐため、民間・自治体との交流イベントを積極的に推進してきた。両国関係の持続的な発展のためには『経済関係の強化』、『両国の経済人同士の結束』が最も重要な課題だと判断した」と話した。
その他、釜山観光公社の崔溥林団長が「釜山へ行こう!プロモーション実施」や「高速旅客船活性化業界共同プロモーション」をテーマに講演を行なうなど、今後の両市の様々な分野での交流が議論された。
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