<ラオスの農民は牛で蓄財>
我々は農業プロジェクトでよく農地へ行く。農地には銀行がなく、ラオスの農民はどうやって資産を保持しているのか、とふと気になった。現金か、それとも金か。ラオスの農家にはカギがないから、誰でも勝手に家に入れる。資産を現金や金で持つことは非常に危険なはずだ。ではどうやって――。
その正体は、「牛」であった。ラオスでは牛が農地のそこらじゅうで歩いている。その数は間違いなく農民より多い。一説によれば約400万頭いるらしい。牛の価値は1匹400ドルなので、400ドル×400万頭で、16億ドルの資産が農地に放たれていることになる。さらに牛がメスとなれば、1年で1匹子を産むと仮定して1年で資産が倍になる計算。利回り100%である。
ラオスの農民は資産を牛で持つことにより資産形成を行なっているのだった。ラオスの牛は放牧され、勝手に草を食べ勝手に水を飲み、夜になると決められた家に戻ってくる。手間はほとんどかからない。
しかし、ラオスの牛は常に自由に散歩して草を食べているために、肉が非常に締まっていて固い。あまりにも固すぎて私の歯は折れた。歯の治療には隣のタイに行って行なった。ラオスの医療体制は十分とは言い難い。
<急増するニューリッチ>
ラオスは従来の富裕層とは別の、平均的水準を少し上回る所得を得る、いわゆるニューリッチ層が急激に増えてきている。彼らは現在の収入を貯蓄や資産形成に回さず、お金を得たことを存分に感じたいために、お金を消費できるものを探している。必要だからお金を使うのではなく、喜び、楽しむためにお金を使う。ラオスは今、経済成長にともない、この世の春を謳歌する人々が繁栄している。
≪ (中) |
赤坂綜合事務所では、日本企業と協力してラオス初のサービスをどんどんスタートさせています。ラオスと日本企業との懸け橋となるよう日々事業活動を行なっております。ホームページはコチラ。
※記事へのご意見はこちら