「女性の大活躍推進福岡県会議」の発足一周年記念式典が5月30日、福岡市内で開催された。同会議は、女性が活躍できる社会の「実現へ向けた運動を推進する活動を行なっている。記念式典には約350名が出席し、女性が活躍することの重要性を訴える話に耳を傾けた。
同会議共同代表の松尾新吾氏は代表挨拶に立ち、「女性の力は決して補完的なものではない。」と述べ喝采を浴びた。また、同会議については、「全国初の試み。今後は、福岡から九州へ、九州から全国へと広げていきたい。」と話した。
また、同式典では、「女性の大活躍推進」をテーマに活発なパネルディスカッションが展開された。コーディネーターを務めたのは、公立大学法人福岡女子大学学長特別補佐の松田美幸氏。パネリストは、一般社団法人日本経済団体連合会政治社会本部主主幹の小川尚子氏、五洋食品産業(株)代表取締役社長舛田圭良氏、福岡空港ビルディング(株)営業部営業第一課長の鯵坂裕子氏、(株)西日本新聞社編集局経済部長の椛島滋氏の4名。
日本経団連の小川氏は、女性活躍の意義や課題、今後の取り組みを述べた。また、男性だけの視点に頼った判断は、企業を存続させていくうえで極めて危険だと指摘し、女性の視点を取り入れることの大切さを訴えた。五洋食品産業の舛田氏は、女性の積極的な登用やベンチャー企業の視点に立った女性活躍の必要性について説き、福岡空港ビルディングの鯵坂氏は、産前産後休暇、育児休業を管理職在任中に取得した実体験と、女性が大活躍するための今後の課題を語った。西日本新聞社の椛島氏は、九州の主要企業に実施したアンケート結果を元に、各企業の女性活躍への取組みや女性管理職割合等のランキングを発表し、女性の能力を発揮しやすい職場をつくる「ホワイト企業」の広がりへの期待を述べた。
祝辞講演では、女性活力・子育て支援担当大臣の森雅子氏が、「女性の力は日本最大の潜在能力であり、女性が輝く社会を作ることこそが日本の成長につながる。女性の働きは、企業における業務の質を上げる可能性を秘めており、女性の大活躍推進は企業のためでもある」と述べた。そのためには、女性が働きやすい環境を整え、活動の場を充実させることが重要だと訴え、女性の活躍促進や仕事と子育ての両立支援に積極的な企業に対する税制優遇や待機児童解消のための保育施設の拡充、育児休業給付金の増額等の政策について説明した。森大臣は最後に、「いろんな選択肢があっていい。女性が望む生き方を選択できる社会実現へ向けての提言を、女性の労働参加が世界的に遅れていると言われてきたこの日本から発信していきましょう」と述べた。
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