中国で一般の若者男女の「思想」や「恋愛観」を把握するには「お見合い番組」を視聴するのが一番だろう。お見合い番組は「相親節目」と言われ、父母が息子や娘のために結婚相手を探すために、公園をたむろするほどにお見合い文化が盛んな中国では、各地のテレビ局が独自にお見合い番組を制作、放送している。なかでも南京市にある江蘇テレビが放送する「非誠無擾(フェイチェンウーラオ)」は中国で最も人気の高いお見合い番組だ。ルールは各番組によって違うが、「非誠無擾」は、中国各地から集まった24人の女性が、1人の男性を審査し、審査に残った女性の中から今度は男性が女性を選ぶというもので、中国では「ブーム」となった。
男性が自己PRをしたり、女性が男性に対して質問を投げかける際に、各人の考え方がはっきりと表れてくる。そして、相手に注文をつけたり批評したりする姿も日本ではあまり見られない中国人ならではの部分も垣間見える。また、中国は、日本の結婚年齢からは7~8歳若いというデータもあるが、登場する24人の女性の多くが「20代前半」で、日本に比べての「早婚」がはっきり分かる。男性も20代後半の若者の登場が多い。参加者は国籍問わず、白人、黒人も混ざっていることがある。以前は日本人も登場していたが、現在は、日中国家間同士の関係もあり、出ていない。
司会者はスキンヘッドの実力派司会者・孟非氏。印刷所勤務や記者を経て、番組司会者へと至った。人生経験が深く、登場する一般人に対するイジリやツッコミも冴えている。「南京にスキンヘッド司会者あり」と言わしめたのが孟非氏だ。南京発の番組だが、人気は全国区。最近ではスポンサーや制作会社の依頼もあり「北京」での収録も多い。また、同番組もインターネットを通じて、海外の中華系移民にも多く視聴されており、「アメリカ在住者」特集、「オーストラリア在住者」特集など、海外在住者の独身男女を集めた特集もある。
しかし、番組にとって厄介なのは「まがい物」だ。お見合い目的ではなく、「有名になりたい」という女性タレントの卵や、「知名度を作ってビジネスを有利に進めたい」と目論む商店の若手女性経営者などがオーディションを経て紛れ込むことがあるという。そういう女性は、最後の最後まで男性にダメ出しをせず、テレビに映るという時間だけを稼いだり、あるいは、適当な男性とカップリングを成立させるも、番組収録以降、急に男性と連絡を取らなくなったりするので、恋愛気分になっていた男性が激怒し、中国版ツイッターで事情を暴露。たまに番組公式ツイッターが炎上することがあるのだ。
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