7.九州・山口・広島の県別貸出金について(1)
下表は地銀22行が本店を置く各県別の人口と貸出金残高との関係を示したものである。人口の多寡が大きなウエイトを占めていることがわかる。
トップ福岡県の人口は509万人で、九州7県の総人口、1310万人の38.8%を占めているが、貸出金は14兆6,678億円で、九州全県の貸出金29兆7,982億円の49.2%と、ほぼ半分を占めており、1強6弱となっている。
特にその中心の福岡市の人口は150万6,000人で、山口県、長崎県など5県の人口を超えている。いまだに流入が続いており、九州経済は福岡市に一極集中する様相を呈している。
◆福岡銀行と西日本シティ銀行について
福岡市に本拠を構えているのが福岡銀行、西日本シティ銀行、福岡中央銀行の3行であるが、福岡中央銀行は福岡銀行と同じふくおかFG系列であり、実質的には福岡銀行と西日本シティ銀行の両雄がしのぎを削る戦いの場となっている。
★両行グループの九州全県の貸出金(29兆7,982億円)に対するシェアについて
(1)ふくおかFG傘下の貸出金
・福岡・熊本・親和・福岡中央銀行 10兆345億円(シェア33.7%)
(うち福岡銀行の貸出金) 7兆2,452億円(シェア24.3%)
(2)西日本シティ銀行グループ傘下の貸出金
・西日本シティ・長崎・豊和銀行 6兆4,641億円(シェア21.7%)
(うち西日本シティ銀行) 5兆8,498億円(シェア19.6%)
(3)両行グループ合算の貸出金
・福岡FG傘下銀行 + 西日本シティ銀行グループ 16兆4,986億円(シェア55.4%)
(うち福岡銀行 + 西日本シティ銀行) 13兆950億円(シェア43.9%)
九州の総貸出金に対して、ふくおかFG傘下のシェアは33.7%で、全体の3分の1を占めている。一方西日本シティ銀行グループ傘下のシェアは21.7%となっており、両グループを合算したシェアは55.4%と過半数を超えている。今後もふくおかFGと西日本シティ銀行グループを軸に貸出金のシェア競争が激化することになりそうだ。
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