<下請けとして積み重ねた実績>
「いかにクリエイティブな仕事をやれるか。それをひたすら追求している」。そう語るのは、店舗内装のトータルプロデュースを行なうクレアプランニング(株)の中田泰平社長だ。地場同業界でも指折りの存在である同社は、いかにして現在の地位へ上り詰めたのだろうか。
同社の礎は、1973年に現会長の中田泰之氏が創業したタイヘイ内装工業だ。その後、業界大手で東証一部上場の(株)丹青社が出資する子会社となり、商号を(株)丹創社へ変更。下請を主体に実績を積み、事業規模としても成長を遂げた。手がけた内装工事は、商業施設や飲食店舗のみならず、大型の公共文化施設など多岐におよんだ。また、家具・仕器の製造についても当時大野城市に構えていた本社のほか、会長の出身地である大川工場(現・大川テクニカルセンター)と2つの生産拠点を設けることで、開発から施工まで自社で一貫したものづくりを行なっていた。さらに、福岡だけに留まらず、東京にも営業所を擁することで、首都圏でも営業力を強化していた。
転機となったのは2005年6月。同社が、円滑な事業継承を目的として、丹青社が所有する同社株式の譲渡を受け、実質的に資本関係を解消。創業35周年となる08年1月には、現在のクレアプランニングへ商号を変更した。「クレア」(ラテン語で創造)は丹創社から引き継いだもので、施工技術・能力といったハード面の「作る」だけでなく、企画立案・提案力などソフト面の「創る」という部分へ強化していくという思いが込められた。これまでの基盤からあえて脱却したのには、不景気にこそ何かしらのアクションを起こす必要があるという挑戦の構えが表れている。そして、11年6月には会長子息である泰平氏が代表取締役社長に就任。同時に、泰之氏が会長職に就き、現在の経営体制となった。
<JR博多シティで一気に注目企業へ>
社名変更後、大きな仕事となったのが福岡都心部を代表する商業施設のJR博多シティ。注目されていた同施設の指定業者として、多くの店舗内装を元請として一手に手がけた。従来から高い施工能力は評価されていたが、空間の総合プロデュースを行なう企業として、一躍その名を地場に轟かせ、高い存在感を示すきっかけとなった。
その後も、業界問わず多方面にわたり、各地で顧客ニーズを捉えた創造性豊かな店舗づくり、ブランド価値の向上に邁進してきた。実績のある同社に対して、店舗内装以外のデザインもワンストップで請けてほしいという相談も増加。こういった要望に答えることで、これまで端的に終わっていた関係性も、またやってほしいという連続的なものへと変化してきている。
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:中田 泰平
所在地:福岡市中央区天神4-7-11 クレアビル
設 立:1981年12月
資本金:5,000万円
TEL:092-724-1115
URL:http://www.crea-p.co.jp/
<PROFILE>
中田 泰平(なかた・たいへい)
1975年6月生まれ。学卒後、2005年6月に同社取締役、11年6月に同社代表取締役社長に就任。2代目として同社を牽引するほか、中洲ジャズイベントの立ち上げや福岡JCでの活動など、社外においても精力的に活躍の場を広げる。
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