<逞しい精神力>
私は昨年から今年の松山英樹選手の成長を見て、今年、必ずアメリカのトーナメントで優勝すると確信していました。今回のザ・メモリアルトーナメントで優勝したことには驚いていません。
それにしても、松山選手の逞しい精神力には感服します。最後の18番ホールでバーディをとりクビン・ナ選手とトップ同スコアで並びました。この追い込みの根性には頭が下がります。そしてプレーオフに臨むことになりましたが、ドライバーが折れています。これに臆することなく3番ウッドで果敢にショットしました。
まず1打目はバンカーに捕まったのですが、顔色一つ変えません。残り220ヤードをスリーアイアンでフルスイングしました。ツキも手伝ったのです。ギャラリーの足にボールが当たりました。奥には跳ねずに手前へ転がったことは松山の強運の証明です。ツキも実力なり。3打目のアプローチではピンそば3メートルに寄せました。4打目でパーを取ったことで初優勝が確定したのです。再度、強調します。凄い精神力です。
<アメリカで勝てるワケ>
松山の強さを紹介します。
まず、石川遼選手と比較して体幹の強さが格段に違うことです。細見の石川遼選手は全身の力を使ってドライバーショットの距離を稼ぎます。その点、身長180センチを超える松山は、余裕を持ったスイングで距離を伸ばすパワーを有しているのが利点です。そうです。アメリカ・外国人選手と伍してドライバーショットの飛行距離に遜色がないということは強力な武器であります。
次に、第1打目で距離が負けないとなれば次の展開が楽になります。アメリカゴルフ場のミドルの距離は450ヤードが普通であり、480ヤードというとてつもない長いコースもあります。300ヤードを打って残り180ヤードを松山選手は得意の7番アイアンで攻めるのも可能です。100から120ヤードは体の回転で打っています。土台が動きません。だから非常に確実なゴルフができます。またパターの局面においてもスタンスを広く取り土台のブレがありません。安定したパットが打てます。
私は、22歳の松山英樹選手が日本で過去のすべての選手を含めて最強の力を持っていると評価します。今回、名手・アダムスコット選手と一緒に回りました。非常に勉強になったことでしょう。今年中にはもう1回優勝できると断言します。
※記事へのご意見はこちら