9.九州・山口・広島の地銀22行の14/3月期決算
預金残高順位表・当期純利益予想(表1)
ふくおか・山口FGの連結修正後・西日本シティ銀行グループの当期利益予想(表2)
◆上記表から見えるもの
(1)ふくおかFGの3行単体の14/3月期の当期純利益は500億円に上るが、連結修正後は361億円に縮小。また山口FGも304億円が272億円となるが、西日本シティ銀行グループは単純合計の244億円のままとなっている。
(2)今期の15/3月期の当期純利益を増益予想しているのは、単独では広島銀行、鹿児島銀行の2行だけとなっている。
単体では親和銀行、熊本銀行、山口FGの山口銀行、北九州銀行の4行が増収を予想しているが、連結修正後のふくおかFGは330億円(前年比▲8.8%)、山口FGは240億円(前年比▲23.2%)と減収予想をしており、西日本シティ銀行も200億円(前年比▲16.7%)と大幅な減収となっている。
(3)各行とも消費税増税などもあり慎重な見方をしているが、安倍政権が打ち出している成長戦略の大きな柱である法人引き下げなどの成長戦略が実行されれば、当期純利益の増額修正が相次ぐことになりそうだ。
そうはいっても日銀は2%のインフレターゲットを設定しており、もしそうなれば取引先のなかには支払利息の引き上げに耐えらず、倒産する企業が急増することも予想され、不良債権処理費用の増加も懸念材料の一つであり、収益環境は大きく変わる可能性も出ている。
今期はすでに2カ月を過ぎているが、上位行と下位行との収益力の格差が引き金となり、九州のみならず中国地区においても、いずれ県境を越えての金融再編が行なわれることになるのはそんなに遠くないものと思われる。
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