6月7日、福岡市内で、福岡県日中友好協会、中国駐福岡総領事館の主催による「2014年度 九州日中友好交流大会」が開催された。会場には、九州各県の日中友好協会・企業関係者や中日友好協会会長唐家璇氏(元国務委員)をはじめとする中国からの貴賓を含め、約600人が集まった。
大会では、主催者を代表して、福岡県日中友好協会の松本龍会長が挨拶した。そのなかで、「こういうときだからこそ、民間の交流、地域の交流。そして経済と将来を担う子どもたちによる交流が必要」と述べ、今後も継続的な交流を続けることを強調した。
来賓代表として挨拶した蒲島郁夫熊本県知事は、「歴史的、学問的な視点や行政的な経験からも、今のような厳しい両国間の関係はそう長くはないと考えている」と話した。蒲島氏は古来から続く2国間の交流を例に挙げ、「早期解決のために民間交流を絶やさないことが必要だ」と訴えた。
貴賓挨拶で登壇した唐家璇氏は、日中関係について「古くから続く歴史的な、そして近年の新たな問題が複雑に入り交じり、厳しい局面にある」と指摘。一方で、「両国は経済や人的往来を通じて緊密な利益共同体となった。現在の関係は両国にとっても、世界全体にとっても利益を生むものではない」と関係改善の必要性を強調した。
両国間の関係は歴史問題、領土問題をはじめとする諸問題が重なり、依然として厳しい状況にあるが、「民間レベルで打開したい」との思いから、九州地区では2013年9月にも300名規模で、交流大会を開催。さらに今年4月には「第一回九州日中友好交流訪問団」として、約50名の派遣を結実した。そして、これまでの交流が今回の大規模開催に発展した。
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