筑豊地区に拠点を置いていた(株)大津屋(本社:福岡県嘉穂郡桂川町、田島宏康社長)が6日、事業停止し、事後処理を弁護士に一任した。同社は1957年9月創業の社歴50年以上の歴史を有する卸業者で、地場の酒店、ディスカウントストア、スーパー、飲食店を取引先とし、地域では名の知れた酒類卸会社であった。しかし、近年においては大量出店を続けるコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの小売業が酒類販売を行なうようになり、従来の取引先では売上数量が増加しなかった。これにより同社は次第に販路が狭まっていき、年商も先細りして最終的には破たんに繋がったと見られる。
近年は、川下の酒類販売業者が力を付け、大手酒類メーカーとの間で特約店契約を結ぶようになった。これにより中間にある卸業者はその存在価値を無くしつつあり、卸業者が飲食店に直販するなどの従来にはない行動を取るケースも出ている。一つの飲食店相手に酒販会社と卸会社が営業をかけるという異様な事態も起きている。なりふり構ってはいられない状況が各地で聞かれるなかで、今回の大津屋の破たんは厳しい卸売業界の環境を示すものとなった。
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