<福岡で活動する地域貢献型団体>
田中氏と杉田さんを交えて、福岡で活動する地域貢献型団体による活動報告も行なわれた。報告したのはわくわく子どもえん(福岡県糸島市、川口正人代表)、みつばちおうちえん(福岡県糸島市、大松久美子代表)、NPO法人エスタスカーサ(福岡市南区、知足文隆代表)、「よりあいの森」をつくる会(福岡市城南区、大坪克也代表)の4団体。
「わくわく子どもえん」は、「子どももおとなも共に育ちあう」をコンセプトに2012年10月に開園。子どもを中心として保育士、保護者の枠を超え、みんなで創っていく「えん」を自然との触れ合いを大事にしつつ、わくわくしながら運営している。
「みつばちおうちえん」は、2011年4月設立。子どもの内にある自然に寄り添い、子どものペースでのびのびすごし、糸島の自然や季節を感じる暮らしを楽しむ、もうひとつのおうちのような場所をつくりたいと願う母親たちが手作りで運営している。
もやいバンク福岡の融資先でもある「NPO法人エスタスカーサ」は、障がい者支援事業としてヘルパーの派遣やショートステイを実施。地域の中に我が家のような憩いの場所を作りたいという思いから、老若男女、障がいのあるなしに関係なく集まることができる『交流スペース』を運営している。
そして「『よりあいの森』をつくる会」は、他者の老いに関わり自分の時間を使うことで安心を創ることに共感した仲間でつくる会を結成。単なる介護施設ではなく、「ありのままに老い、ありのままに死ぬ」を実現するための場所づくりを目指し、全国でも名を知られている。
4団体からの報告は、福岡で地域に貢献し、お年寄りや子ども、障がい者と支え合いながら暮らす関係が力強く芽生え、育ちつつあることを示した。杉田さんは「福岡は本当に恵まれているところですね」と感心して耳を傾けていた。
もやいバンク福岡代表理事の中村肇氏は、「これからも、もやい合う関係を築いていきたい」と、5周年をひとつの区切りに、さらに活動の場を広げていきたい考えを示した。「もやい」とは、他の人と共同して物事を行なうこと。船と船とをつなぐ綱のことで、博多弁では「共同で所持する」という意味もある。ただし地域が共同で自立できるような経済社会を築いていくには、まだまだ多くの課題がある。たとえば資金繰りは大きな課題だ。解決するには「もやいバンク福岡」のような地域貢献企業を育てる仕組みを持つ団体の趣旨に賛同し、出資する人々が増えることが必須だろう。
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