「台湾に根付く日本精神」について理解を高めようと、「日台の魂の交流」と題した「台湾特別講演会」が8日、福岡市で開催され、約300人が参加した。主催は日華親善友好慰霊訪問団で、領事館にあたる台北駐福岡経済文化弁事処、JTB九州などが協賛した。
九州不動産専門学院の小菅亥三郎理事長が「この講演会のために尽力してくださった関係者の皆さんに感謝したい。日本人の台湾に対する関心が高まるなかで、今では『台湾を愛する』日本人にも多く集まってもらっている」とあいさつ。台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長(総領事)は「台湾は世界一の親日国家。日台往来の人数は、日本が国交のある他の国に比べても遜色ない数字。台湾人が日本にいかに関心を寄せているかが数字を見てもはっきりとわかる。台湾人は日本人に対して『恩返し』の気持ちを忘れていない。台湾のインフラ整備のために犠牲となった日本人がたくさんおり、この功績に台湾人は感謝している。日本人が残した『日本精神』を台湾で育み、日台お互いが今後も輝けるように努力したい」と述べた。
第1部は、高雄県出身の文明史家・黄文雄氏が「日本人が台湾に遺した武士道精神~台湾と日本を結ぶ日本精神」というテーマで講演。「台湾の歴史は日本時代の50年で研究しつくされたが、それ以前の、特に大航海時代以前の台湾は発掘されていない部分が多い。記載された史実に『誤り』も多く、これからの修正が必要となる。しかし、そのなかで言えるのは、台湾の歴史のなかで最も影響を与えたのは『日本』ということだろう」と述べ、「日本・台湾、魂と心の交流が持つ史的意義」「日本人教師・技師・医師がつくった台湾近代」「台湾人が見た日本精神と支那人根性」という内容について詳しく説明した。
第2部は「私たちは日本を取り戻す」というメインテーマのパネルディスカッションで、黄文雄氏が「私たち原日本人は大切なものを忘れてしまった」、九州大学大学院准教授の施光恒氏が「台湾の中のニッポン~日本人が取り戻すべき心とは」、西日本台湾学友会前会長の柳原憲一氏が「台湾人戦犯死没者の遺書より」というテーマで講演を行なった。
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