福岡で生まれた「日本の社長.tv」が全国展開を始めたのは2年半前。そこから一気に掲載企業数も増加し、現在、その数は5,000社を超えている。なぜ、「日本の社長.tv」が広まったのか、その背景について中島社長が語る。
――代理店を作り始めてから、現在、40都道府県で展開していることになりますね。
中島 最初は、加盟金をとるつもりがありませんでしたが、代理店になりたいという方が多く、なかには、自分の本業を営業するための"ドアノック"としか見てないところもありました。だから、最低限費用を払ってでも、しっかりと取り扱ってくれる会社に絞るために加盟金をいただく形にしたのです。営業のドアノックとして、「保険会社です」とか「○○広告です」は難しいけど、「◯◯の社長.tvという番組をやっている会社ですが、社長に会わせて下さい」なら、ドアノックしやすいんです。
代理店の数を増やしても、動画が一気に増えるということにはなりませんでした。当時、制作費12万円、掲載費2万円で売っていましたが、福岡では、私と私の社員が、直に熱い思いを持って営業していたので、それでも月に10社から15社くらいは増えていました。他県の代理店には、まず、専属の方がいませんし、すでに持っているいくつかの商材があるなかの1つとか、まだ認知されていないスタートアップの時期だったからとか、いろいろな要因があります。「代理店だけ増えて全然売れていかない。これは困った!」となったのが2年前です。
そこでビジネスモデルを全部作り変えて、代理店に、最初は無料でつくれるよう資金を出してもらうことにしました。「まとまった資金だけ出してください。後は、全部我々で営業代行します」と提案したのです。代理店からの事業投資で、弊社のコールセンターが代わりに電話だけで契約を獲得していきます。極論を言えば、掲載契約はうちがとる、カメラマンもうちが手配する、あなたはお金だけ出してくれればいいと。そういうやり方です。
営業が苦手な会社でも、弊社が契約までとれば、代理店はインタビュアーの仕事だけすればいいんです。そして、撮影先の社長に会えます。我々でアポイントから契約までを全部とり、代理店さんにはインタビューをしていただくということになりました。
――それで社員が増えていったということですか。
中島 そうです。代理店さんに人が足りない場合は、弊社が雇って送りこんでいたこともあって、人が一気に増えました。それが良かった面、悪かった面もあるのですが、それで一気に、2年くらいで掲載企業が5,000社を超えました。
――じゃあ、基本的には福岡で話をつけてやっていた、ということですね。
中島 この2年、4,000~5,000社の契約をとったのは、福岡の5、6人の電話部隊だけです。全国に代理店はいますが、営業はぜんぶうちです。代理店さんによっては数千万の事業投資をしていただいたこともありました。代理店から営業代行の契約をとってくる営業力と、電話口だけで新規開拓できるメディアミックスの営業力、この2つが弊社にはあります。
――しかし、それは逆ですね。代理店を本体が抱えてしまうという・・・。
中島 そうですね。5,000社ほど掲載をとれば、その次の紹介は現地でもらえるだろうと思っていました。掲載企業から1社ずつの紹介として、5,000社あれば今頃1万社になります。しかし、革新的なモデルを作ったつもりでしたが、思うようにはいきませんでした。いや、多分、勘違いをさせてしまったのだと思います。
(つづく)
【文・構成:山下 康太】
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