福岡市のホームページで公開されている福岡市長の交際費執行状況における記載ミスがおよそ2年間放置されていることがわかった。NET-IBの指摘を受けるまで、市側は記載ミスに気づいておらず、福岡市の公費支出のチェック・管理の杜撰な実態が露呈したと言える。
最初に記載ミスが発覚したのは、2012年度1月分の年度累計。12月までの年度累計が56万6,075円であり、翌1月分の支出合計が4万円であることから、1月分の年度累計は60万6,075円となるべきところ、6月9日時点で市が公開していた資料では、「77万8,030円」と記載されていた。正しい金額との差額は17万1,955円。
所管する市長室秘書課は、当初、担当者は今年4月で替わっていることを理由にあげ、ミスの原因を即答できず。後に、「同月の前年度分の資料をもとに作っており、2012年度1月分については累計金額が新しいものに更新されておらず、前年度のそれが残っていた」との説明がなされた。
しかし、公開されている11年度1月時点の累計金額を見ると82万8,030円となっている。市側が記載ミスの原因としている、12年度1月時点での累計金額は77万8,030円であり、差額は5万円。現担当者は、「11年度については、累計件数・金額に修正があり、その修正前のものが77万8,030円であった」と説明。11年度の9月から11月にかけて、主に生花代で計5万円の記載もれがあったという。つまり、ミスが2つ重なっていたことになる。
担当者の説明が正しければ、今回発覚したミスには、必要性のない前年度の数値を残したままで作業をするという事務処理上の問題だけでなく、そう複雑ではないチェックが行なわれていなかったという問題もある。それとも、担当者が混乱し、記載ミスをしてしまうほどの理由が何かほかにあったのだろうか――。
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