<一般個人からの残土に関する問い合わせが急増>
北設備工業(株)は福岡市東区に本社を置き、もうすぐ設立40年を迎える老舗管工事業者である。現在は3代目となる永田政雄社長が代表を務める。埋設管の工事を主体として、福岡市水道局を始め、官庁関連からの公共工事を受注している。また、本業である管工事のほかに「埋戻砂」の製造・販売を行なっている。この埋戻砂の製造プラントを立ち上げたのは「水道管布設工事では砂販売業者から砂を購入して埋め戻しをしなければならない。では、品質管理基準に沿った埋戻砂を自社で作ることができれば、時間と費用のコストを一気に解決することができる」と考えたからだ。
97年1月、地場水道工事業者として初めて、福岡市から埋戻砂製造の許認可を受けた。それから約10年、地場でも品質の高い埋戻砂製造を手掛け、ノウハウも蓄積されていった。ゆえに地場でも管工事業者でありながら質の高い埋戻砂を製造する業者として認知されてきた。
そのようななか昨年、「残土を譲ってください」と一般個人の方から要望があった。永田社長は当初戸惑いながらも「手を加えない残土なら」と運搬の運賃だけ負担してもらい残土そのものは無料で提供した。その後も「残土を譲ってください」との問い合わせが急増。そこで永田社長は一般個人にも格安で提供できればと残土処理のプラント導入を決定した。(新プラントと永田社長)
<民間の購入希望に応えるために専用の新プラントを発注>
『民間用残土ふるい機』と名付けられたプラントは6月初め同社が保有する残土置き場のひとつである福岡中央区那の津2丁目(福岡都市高速天神北インターチェンジ横)で稼働を開始した。このプラントは民間販売専門につくられたもの。直径約1mの大きさのドラムには目が15mm×15mmの網が貼り付けられている。残土を横たわるドラムのなかに入れてモーターで回転させ撹拌。網を通らないグリ石を筒の外に出し、網を通ったきめ細かい残土は下にそのまま落ちるという寸法だ。以前は「グリ石を取ってください」との要望もあった。ユンボでふるっていたので、かなりの手間がかかっていた。しかし、これならグリ石は自動で排出されるし、さほどの手間もかからない。残土も均一の品質を確保できるために安価で一般個人に提供できるわけだ。なお、現在、福岡県工業技術センターに残土の成分調査を依頼している。そこまで残土の品質の徹底を行なっているのだ。
<残土を通じて社会貢献に臨む>
永田社長は、ただの思いつきでこの新プラントをつくったわけではない。一般個人、同社共にメリットがあり、残土販売を通じて社会貢献ができればとの思いがある。
一般個人側のメリットは、まさに土を安価で購入できることに尽きる。また、販売する同社側は工事で彫り上げた残土を減らすとこができ、排出されたグリ石は地盤の締めに活用ができる。運搬すればダンプの運転手を手持ち無沙汰にさせてしまうことは無い。まさに双方にメリットが生まれると言えよう。公共工事用の高品質の埋戻砂で社会貢献してきた同社のノウハウは、今度は民間へ市場を解放して、ムダを省く循環社会への第一歩を踏み出し活用される。
「格安で販売し、配達も致しますのでどうぞ利用してみてください」と永田社長。「土が必要なのだけど、意外と高くて・・」「遠いから運搬してほしい」「とにかく安く売ってください」といった要望など、どんな相談にも乗りますとのこと。土の購入希望の方、まずは同社(TEL:092-621-1836)まで連絡してみてはいかがだろうか。メールでのお問い合せも受け付けている。
<COMPANY INFORMATION>
■北設備工業(株)
代表者:永田 政雄
所在地:福岡市東区多ノ津4-18-16
設 立:1966年5月
資本金:2,000万円
年 商:(14/3)8億7,348万円
TEL:092-621-1836
FAX:092-621-1841
E-mail:info-02@kitasetsubi.com
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