脊振の自然を愛する会(福岡市早良区、池田友行代表)の池田代表は、写真をこよなく愛するアマチュア・フォトグラファーでもある。脊振の環境保全活動を行ないながら、美しい自然の数々をカメラに収め、写真集「脊振賛歌」を発行した。続編が待たれるなか当連載ではフォトエッセイとして、脊振の魅力を紹介する。
<ナルコユリ ユリ科 和名は鳴子百合>
梅雨の頃になるとユリ科の野草が沢山芽を出してきます。登山道で見かけるのはナルコユリやアマドコロですが、この2つは良く似ていて区別が難しいです。葉の形や花の付き方で区別をします。
ナルコとは鳴子、つまり時代劇に出て来る忍者よけのジャラジャラのことです。これに忍者や不審者が触れると音を発して「くせ者!」となるのです。草花の名前をつけた古人たちは実に風流心が有るし、洒落心があると思っています。
草花の名には、そのほか動物の名前が付いたものも多くあります。キツネ、タヌキ、イヌなどです。
さてナルコユリですが人が通る山道に数多く見かけることができます。人恋しいのか山での出合いを待っているのか判りませんが、実に賑やかなユリ科の植物です。
アマドコロは根を食べると美味なのでこの名がついたようです。梅雨の時期には、私はユリ科の花たちが雨露に濡れた美女の佇まいに思えます。そしてこの花たちにレンズを向けることが多くなります。
【ヤマボウシ】
<池田友行氏プロフィール>
福岡市早良区在住。1944年3月生まれ
西南学院大学ワンダーフォーゲル部OB。ソニーマーケティング(株)退職後、2008年より早良区と共働で、脊振山系道標設事業や脊振清掃登山に取り組み、中心的役割を果たす。
福岡市早良区の野河内渓谷整備に従事中。
「脊振の自然を愛する会」代表(会員100名)
早良区役所主宰の『早良みなみ塾』自然環境分科会代表
写真集『脊振讃歌』著者
各地で写真セミナー開催、『西日本新聞フォト随想』掲載。
西日本新聞 「風」に、脊振での活動が紹介される。
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