<壱岐の自慢1,000の宝探し>
壱岐市では、観光入込客数を「入込客数【壱岐での降客数】」として捉えています。そのデータによりますと、1995年に46万4,568人であったものが直近データの2012年には35万6,352人と23.3%減少しています。
ちなみに12年の降客数のうち、7月、8月の合計は8万8,641人であり、全体の24.9%を占めています。夏場の観光客集中を表しています。
観光の動向を最も的確に表すのは宿泊者数だと言えますが、これを壱岐市の場合で見ると、1991年というバブル期の22万4,906人をピークに12年は16万2,452人と27.8%の減少となっています。しかし、ここ数年は16万人台で減少傾向に歯止めがかかっているようです。
このような壱岐市の地域経済をめぐる状況のなかで、壱岐の心ある方々は、人口減少、少子高齢化、産業の衰退等将来への危機感を募らせています。そんな状況から壱岐をこれまでにない発想から元気にしよう、活性化しようという動きが芽生えました。それが特定非営利活動法人 いき交流文化デザイン研究所で、13年4月に活動開始しています。
このNPOは、壱岐市のIT会社代表が理事長を務め、理事には島外の大学教授、地域づくりプランナー、モノづくりプランナーなど、錚々たるメンバーが名前を連ねています。不肖私もその1人、というわけです。
その活動ですが、事業内容に「文化交流促進のためのイベント開催事業」「文化交流・観光振興に関する情報収集・加工・発信事業」「地域振興に関する調査・研究・提言事業」「地域振興のためのデザイン・商品開発・販売事業」(以下略)を掲げるとともに、その団体名称からもわかるように、地域づくり、地域振興に「交流」「文化」「デザイン」という要素を盛り込み、交流文化こそ地域づくりにおいて最も重要な要素であるとの理想を掲げています。
活動内容ですが、昨年度総務省の事業「公民連携・既存ストック有効活用による地域活性化に関する調査研究にかかるモデル事業」に対し、「空き店舗を利用したコミュニティ形成」というメインテーマのもと、標記「壱岐の自慢 1000の宝探し」というプロジェクトを提案したところ、さっそく事業採択されたわけです。
このプロジェクトは、今年3月に終了し報告書も総務省に提出していますが、非常に面白い結果が生まれています。その内容は、次回に報告します。
(つづく)
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(株)地域マーケティング研究所
代表取締役:吉田 潔
和歌山大学産学連携・研究支援センター客員教授、観光学部特別研究員、西日本工業大学客員教授
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