<教育支援とコーヒー栽培事業>
NPO法人福岡・ネパール児童教育振興会と博多東ライオンズクラブが中心となって建設・開校した小学校(現中等学校)の自立を達成する手段として、2003年からコーヒー栽培事業に着手している。05年より3年間、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を得て、現在グリーンビーン(生豆、焙煎前の豆)の生産量は、2,000kg/年となっている。だが現在の生産量では、「自立運営のための資金確保にはまだまだ及ばない」(篠隈理事長)と事業が発展途上であるという。
学校の自立運営の資金確保におけるグリーンビーンの生産量は、1万kgが基準値とされる。1万kg生産に向けて同会はキョーワズ珈琲(株)と組み『草の根技術協力(パートナー型)事業』を共同で実施する。その事業を遂行するために14年1月にJICAと契約を締結した。
同会と同社が発表した事業概要は以下の通り。
事業名:ニルマルポカリ村コーヒー農家自立育成計画
対象国:ネパール連邦民主共和国
対象地域:同国カスキ郡ニルマルポカリ村
受益者層:同村のコーヒー農家280世帯
目標:ニルマルポカリ村コーヒー農業協同組合を中心とした生産者が自主的、自立的にコーヒー生産活動を行なう
事業の期間:2014年1月~18年12月の5カ年
事業費総額:4,537万円(5カ年)
事業者:キョーワズ珈琲(株)、NPO法人福岡ネパール児童教育振興会
同事業により、同村のコーヒー農家が持続的且つ発展的なコーヒー生産技術の習得すること。そして組合の設立によって、コーヒーの産業化を進めることを主眼としている。また、事業者側もこの支援活動によって、同村におけるコーヒー生産の現状と課題を調査し、適正な生育環境を明確にして指導する事ができる。事業費の4,537万円はJICAの支援を取り付けている。
篠隈理事長は、「こちらから資金や資材などを提供するだけでなく、この村が自立して自分たちで村を運営し、経済を発展させて地域を作っていくことが、私たちの支援の目標である」と語る。事業構築を通じて、村が学校運営をはじめとした事業で自立して、村民の生活が充実することを目指し支援活動しているのである。
同村で製造されたコーヒーは、キョウーワズ珈琲、博多大丸、小倉井筒屋をはじめとして福岡から東京までの市場に流通している。また、福岡博多東ライオンズクラブをはじめ、多くのライオンズクラブが記念品として活用しているなど、我が国内で、同会とライオンズクラブが後方からサポートしていることも加えて記したい。
(つづく)
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