<担当フロントマン不在でも速やかに対応>
マンション管理では九州トップシェアを誇る(株)コミュニティサービス。参入障壁の低さから大手、中小の競争が激しい業界で、確実に業績を伸ばす背景には、同社が培ってきた秀逸なノウハウがある。
管理精度の高さは、PCシステムを駆使した情報共有に基づき、全社員が担当フロントマンと変わらぬ対処対応に当たることだ。
「管理システムの『ノーツ』を開発し、管理履歴を全社員が閲覧できるようにしました。記録された情報を読んでいけば、物件や入居者のことがわかりますし、問い合わせが来たときに担当のフロントマンが不在でも、誰かが対応できます。設備会社にも素早く指示を出せるので、お客さまは安心感を持てるはずです」と樫山司社長は胸を張る。
このシステムには、過去から現在までの管理履歴がすべて整理・記録され、クレームが発生した場合には対処内容から処置後の状況までが赤、黄、青のシグナルで表記されている。
たとえば、マンションの入居者から「クレーム」の報告があった時点では「赤」、フロントマンが駆けつけて対処すれば「黄」、解決すれば「青」。色を見ただけで、状況がわかるので、誰でも臨機応変の処置がとれるのだ。
クレームやトラブルが発生してから対応に苦慮するより、日頃のサービスを充実させた方が管理組合の信頼を得られる公算は高い。現在では貯水槽の掃除や消防点検から、組合の総会日までが記録されているため、管理スケジュールが遅滞なくこなせるという。
顧客は個々の入居者や全国に散らばるオーナーまで加えると、管理戸数1万2,000件の数倍にもおよぶ。「一市の行政を担当する自治体職員のようなもの。だから、いかに誰もが管理できるように平準化すること」と樫山社長はムラのない管理態勢に重点を置く。
<設備機器のリフォームを提案し啓蒙を促す>
マンションは経年で建物保全のための修繕や設備機器の取り替えが発生する。入居者の生活スタイルも年齢やライフステージで変わる。そのため、室内や設備機器のリフォームを提案し、入居者やオーナーに『備えあれば、憂いなし』の啓蒙を促している。
同社は、マンションの設備機器ではトップシェアを誇るタカラスタンダードとタイアップ。本社オフィスにショールームを併設し、顧客のリフォーム相談に応じる一方、システムキッチンやバスについては、板付にあるメーカー倉庫で現物を確認してもらいながら、商談するかたちをとっている。
設備機器が耐用年数を迎えるマンションについては、同社側からチラシ配布やリフォーム相談会で検討を呼びかけ、実際に機器を集会所に持ち込み、組合員の入居者を前にしてきめ細かな説明を行なう。
「温水器の耐用年数は15年ですから、水漏れや事故が発生する前に交換をお勧めします。そのとき、入居者がバラバラに注文されると、商品や工事、廃棄の代金が割高になるので、頭数を増やした方がお得ですよと、ご説明します。すると、リーダー格の方が他の組合員さまを勧誘してくれますし、管理会社が提案するのだからと安心できる面もあります」(樫山社長)。
逆に入居者のなかからも、流行の対面キッチンにしたいなどの要望がある。それには水回りや配管を熟知している管理会社として、「どこまでなら可能です」という許容範囲についてのアドバイスも行なうという。
リフォームはあくまで顧客に対して建物保全や資産価値向上の啓蒙が目的だ。同社は管理という受け身の姿勢に甘んじることなく、顧客との距離を縮める「提案型管理会社」に自社の価値を見い出そうとしている。
(つづく)
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長年のマンション管理で積み重ねたノウハウをもとに、安全で快適な住まい、安心できる暮らしをさまざまな角度からバックアップする。また、太陽光発電を通じて、再生可能エネルギー、ライフライン確保に努めていく。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:樫山 司
所在地:福岡市中央区天神5-10-11
設 立:1978年12月
資本金:3,000万円
TEL:092-781-7770
URL:http://www.community-service.co.jp/
<PROFILE>
樫山 司(かしやま・つかさ)
1984年、東海大学工学部経営管理学科卒業。85年、新生ビルサービス(株)入社。92年、同取締役就任。96年、(株)コミュニティサービスへの社名変更、代表取締役に就任。
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