脊振の自然を愛する会(福岡市早良区、池田友行代表)の池田代表は、写真をこよなく愛するアマチュア・フォトグラファーでもある。背振の環境保全活動を行ないながら、美しい自然の数々をカメラに収め、写真集「脊振賛歌」を発行した。続編が待たれるなか当連載ではフォトエッセイとして、背振の魅力を紹介する。
<マタタビ 和名:木天蓼(もくてんりょう) マタタビ科 雌雄別種 蔓植物>
マタタビは蔓直物ですが、初夏(6月)になると、何故か判りませんが一部の葉を白く変色して行きます。葉の1枚を見ると、白く変色しているのは半分くらいであったり、葉全部であったりしています。遠くから見ると樹に絡まった葉全体の一部が白くなっていますので、マタタビと直ぐ判ります。白く変色するのは昆虫を誘うサインのようです。時々、蝶が舞っているのを見かけます。
6月前半に白い花を咲かせて、その後実を付けています。この実が虫コブになっているのが漢方で重宝されているようです。猫にマタタビの実を与えると急に涎を垂らし、ゴロゴロと喉をならして恍惚になります。子供の頃、母が買って来たマタタビを我が家の猫に与えたことがありました。また大人になってマンションの隣家の血統書付きの猫を誘い出すのに、マタタビをベランダにまいた事があります。もちろん猫は誘いに乗ってきました。
人間には匂いを感じないのに、ネコ科の動物には匂いを感じるようです。
マタタビの蔓や実を焼酎付けにすると滋養強壮になります。古人達はこれを飲んで、また旅に出たのです。マタタビの名前の由来です。
【ヤマボウシ】
<池田友行氏プロフィール>
福岡市早良区在住。1944年3月生まれ
西南学院大学ワンダーフォーゲル部OB。ソニーマーケティング(株)退職後、2008年より早良区と共働で、脊振山系道標設事業や脊振清掃登山に取り組み、中心的役割を果たす。
福岡市早良区の野河内渓谷整備に従事中。
「脊振の自然を愛する会」代表(会員100名)
早良区役所主宰の『早良みなみ塾』自然環境分科会代表
写真集『脊振讃歌』著者
各地で写真セミナー開催、『西日本新聞フォト随想』掲載。
西日本新聞 「風」に、脊振での活動が紹介される。
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