台湾にはスポーツ専門テレビチャンネルが3~4つあるが、そのなかで、台湾を代表する美人キャスターとして知られるのが、 卓君澤(チョウチュンザー)さんだ。 卓さんは、緯来テレビでスポーツニュースを担当、大手ニュースサイト「NOWnews今日新聞」で記者も務め、FOXスポーツチャンネルでキャスターを務めている。
子供の頃からレポーターや司会者になる夢を描いていたという台湾中部の南投県埔里出身の卓さんは、マスコミ系の学部が充実し、新聞社や放送局に多くの人材を輩出する名門・世新大学新聞系(ニュース学部)を卒業。卒業後、緯来テレビでレポーターやキャスターを務めると、「美人キャスター」として知名度が一気に高まった。
「私は仕事がとても好きだ。特にスポーツニュースはいくら取材をしても疲れを感じない。メディアの仕事は天職で、自分の趣向と仕事がマッチしていて幸せだと思う」と話す卓さん。有名キャスターとしての立場だけでは満足せず、自分の幅を広げようと取材記者としての道をも選択し、現在は、記者会見、試合、人物インタビューに加え、キャスター業と忙しい毎日を送る。「取材では、毎日違う人に会うことができる。努力を続ける人、トップクラスの成績を残す人、彼らの努力や目標へのプロセスを聞くことで自分にとっても刺激になり、勉強になっている」と日々の充実感を語る。休日ですら野球場に足を運び観戦するほどの「野球好き」だと言う。
日本では放送業界にある程度の「分業」が成立し、アナウンサー、記者、ナレーターなどの区分けがあるが、台湾の場合は、取材や映像制作にも深く携わるため、キャスターはおしなべて「総合力」を備えている。
日本にも取材などで訪れたことがあるという卓さんは、「東京をはじめ、大阪や沖縄に行った。特に東京ドームで『日本ハム対ソフトバンク』を観戦した時は、ファンの盛り上がりや選手の雰囲気、充実した設備に圧倒された。日本の各球場に足を運んでみたい」と話す。日本のプロ野球界では、陽岱鋼選手(日本ハム)、李杜軒選手(ソフトバンク)らが活躍しており、台湾メディアが日本球界を取材する機会も増えている。
将来の夢について、卓さんは「世界の一流が集う国際大会、オリンピック、WBC、サッカーW杯、テニスのグランドスラムに取材で行ってみたい。実現までには時間がかかると思うが、視野を広げ、見識を深め、チャンスに備えたい」と力強く語ってくれた。
【 杉本 尚丈】
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