市長選挙まで半年を切った福岡市で、市職員の情報漏洩にもつながる飲酒絡みの不祥事を市が公表していないという事実が明らかになった。
13日夜、終業後に飲酒した市港湾局の職員が、酔って2時間ほど眠り込み、14日午前1時頃、市貸与のiPadや会議資料などを入れていたバッグを盗まれた。市の人事担当は取材に対し、「今回の件については口頭で連絡が来ているだけで、まだ正式に文章として届いていませんから何とも言えない」と、事実上のノーコメント。17日に行なわれた高島宗一郎市長の定例記者会見でも触れられていない。ニュースサイト「HUNTER」は、今回の不祥事について高島市長にも報告がなされ、公表しない方針に決めていることを市関係者の証言を元に報じている。(詳細はコチラ)
発生から数日経っても公表されないのは同市においても異例。2013年6月24日夜、市選挙管理委員会は、42万6,064人分の選挙人データが入ったDVD3枚を搬送していた業者がひったくりに遭ったと発表したが、業者から市に報告があったのは、発表があった日の午前11時45分頃であった。(後に、盗難ではなく乗っていたバスに置き忘れていたことが判明)
高島市長は2年前の12年5月、当時、頻発した市職員の飲酒絡みの不祥事を受けて、1カ月間の「自宅外禁酒」を要請し、綱紀粛正を図った。何ら罪がないのに売上に影響が出た飲食店からは、「問題は飲酒ではなく飲み方。職員さんもよほどストレスがたまっているのでは?」と訝しむ声も上がり、市民の間では賛否両論。不祥事が公になれば、何もしないというワケにはいかないが、選挙間近に市民の反感を買いたくもない。臭いものにはフタをしろ・・・。そんな魂胆が透けて見える。
なお、今回の不祥事を起こした職員について、市の人事担当は、「内容を確認してから判断する」としている。懲戒処分などになれば広報を通じて公開する予定だが、訓告などであれば規定により公開はないという。
【道山 憲一】
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