武田薬品工業(株)(本社:大阪府、長谷川閑史社長)は19日、前立腺がん治療薬として日米欧共同で開発を進めていたTAK-700(一般名orteronel)について、開発中止を自主的に決定したと発表した。理由については、2つの国際共同臨床第3相試験「ELM-PC4」と「ELM-PC5」で、主要評価項目である全生存期間(OS)における改善が見られなかったためとしている。
また開発当初は前立腺がんに十分効き目がある治療薬はないと言われていたが、現在では他に前立腺がんに対して治療オプションが存在することも中止決定を後押しした。
TAK-700は、同社が創製した経口の非ステロイド性選択的男性ホルモン合成酵素阻害薬。男性ホルモンの生成に需要な役割を果たし、精巣や副腎に存在する酵素(17,20-リアーゼ)を選択的に阻害する。精巣以外での男性ホルモンの合成も阻害することにより去勢抵抗性前立腺がんの治療薬になるのではないかと期待されていた。
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