「党の立ち位置が定まっていない」と、党内から指摘を受ける海江田民主党。政治路線は別として、地方では健全な感覚が残っているようだ。
2015年の統一地方選挙へ向けて、福岡でも各党・陣営の立候補、公認・推薦の動きが進んでいる。
そうしたなか、前回無風区の県議選福岡市南区(定数4)で、民主党が現職の新村雅彦氏を公認せず、女性の新人を推薦するという。新村県議は、副議長も経験し、現在4期目。福岡市教職員組合の専従役員として四役を経験。労働組合の組織率が低下したとはいえ、組合出身議員として、安定した基盤を持ち、同党県連副代表を務める。
公認外しは、寄り合い所帯・民主党が「労組切り」の右旋回の舵を切ったかと思いきや、同県議の息子である新村優氏の市議選挑戦が背景にあるという。優氏は、前回の福岡市議選挙で、博多区(定数9)で立候補(13位で落選)した。問題は、今回、選挙区を鞍替えして、新村県議と同じ南区で市議を目指そうとしたことにあるという。「県議も新村、市議も新村」と連呼されては「世襲」どころではない。「親子ともども議員」に反感が広がったかっこうだ。健全な市民感覚が働いたと言えよう。
県議選福岡市南区は、前回当選者(無投票当選)は、新村県議のほかに、自民党の加地邦雄氏、樋口明氏、公明党の浜崎達也氏。一転、注目選挙区になってきた。
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