デューデリから陥った経営危機で、一時期、破綻説まで流れていたディーノシステムだが、その苦境のなかで結束力は一段と強まった。「これからが第二創業」と位置づける中島社長が、これまでに築きあげた「日本の社長.tv」の未来予想図について熱く語る。
中島 この状況を全社員にも共有し、退職していくものもいましたが、それでも残った仲間と、1回つぶれた気持ちになって『第二創業』へ、本当の意味でベンチャーに戻ります。
――苦境のなかで得た、社長としての教訓はなんでしょうか。
中島 『正直であること』と『率先垂範』です。社員には経費削減しろと言っているのに、社長の自分はなんとなく自分の車を社有車として使っているとか、そういうのがうやむやになっていました。今回、全部まっさらにして・・・。やはり、『正直である』というのは大事なことだと。ほかにもいろいろありますが。
代理店が全国にありますので、経営者を集めた各地の交流会に、行くたびに運営会社としてお話させていただいております。ひと昔前は、伸びる会社、伸びる社長、存続する会社などの条件について聞かれたとき、「まずは、ストック収益があるかどうかですね」と話していましたが、最近は、「言っていることとやっていることが違わない人だと思います」と話しています(笑)。たとえで言うなら、「新幹線を降りる時に、自分が飲んだ缶を置きっぱなしにしていかないことです」とか。そういうところを社員は見ていますからね。
――さて、『第二創業』ということでしたが、具体的にはどのような展開を考えていますか。
中島 400人分くらいの掲載社長のアンケートを読んでいましたが、「掲載している社長たちとのつながりをどんどんつくってほしい」という声がたくさんありました。ただ交流会をやって名刺交換をするという会はいくらでもあります。私たちの強みは、お互い会うべきかどうかの判断がつくコンテンツをもっているということです。社長の出身校データだけでも何千と持っています。「同い年で、同じ大学の社長」という条件でマッチングできるわけです。
たとえば、月1、2回は、自動でマッチングする仕組みをつくれば、いろんな出会いが生まれて、その会社が抱えている課題とかニーズが集まると思います。自分が会いたい社長にマッチングするように情報を登録しておく。これを常に最新に更新する仕組みができれば、企業のタイムリーな、社長のニーズをすべて収集できる仕組みができます。「日本の社長.tv」なら、買う社長も売る社長も、お互いに動画を観ることができます。『BtoBのプラットホーム』を数年でつくっていきたいと思います。
――この先のビジネス展開は、何年くらい前から描き始めていましたか。
中島 有料化した瞬間からです。今お話した内容ほど、鮮明ではありませんでしたが、福岡で始めた頃から、「これはいずれ日本中に広がり、世のなかを変えるインフラになる」ということは言い続けていました。「何の?」と聞かれたら、「それはわかりません」と。(笑)しかし、社長インタビューをドアノックにして、何か売り込みたいということではありません。「これをディーノさんで取り扱ってくれないか?」という話がありますが、そういうことではないんですよ。プラットホームを提供したいのであって、私たちが売り込みたいのではありません。
今後、掲載数が1万社ぐらいになった頃から、全番組を英語に翻訳しようと思っています。それで世界に発信すれば、日本と世界をつなぐ窓口になりますから。海外からみたら、日本語はハードルが高いんです。去年はインドネシアに行きましたが、日本とビジネスをしたがっています。もし、6,000社の番組、会社情報、商品情報などが全部インドネシア語になっていたら、それをインドネシアに紹介して、「日本とビジネスしませんか?」と呼びかけたら、インドネシアの企業は「日本の社長.tv」のなかからビジネスパートナーを探すと思います。そうやって、日本が外貨を稼げるような仕組みをつくっておかないと、内需だけでは弊社が儲かっても国は衰退するだけですから。将来的には、20カ国ぐらいに向けて作っていきたいと思っています。
(了)
【文・構成:山下 康太】
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