福岡市西区に本社を置き、印刷業を手がける正光印刷(株)が、6月20日付で東区の(株)伸和(木村奨代表)の傘下に入ったことがわかった。同社の代表であった藤村省介氏をはじめすべての役員は20日付けで辞任。新代表に木村奨氏が兼任し役員も伸和から迎える。正光印刷は、元代表であった藤村氏が高齢で、しかも跡継ぎがいなかったことから、売却先を探していた。
印刷業界は近年、電子書籍やインターネットの普及で本が売れず、不況から脱却できずにいる。大手のように従来の印刷事業を縮小し、電子書籍など新たな分野での収益モデルを模索しているところもあるが、地場中小企業は現在も厳しい市況と競争に晒されており、同社も例外ではなかった。地場印刷業者も経営者の高齢化や跡継ぎ問題、紙離れに起因する不況で再編が加速すると思われる。
【道山 憲一】
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