<さまざまな経緯から形成された同社の軌跡をたどる>
(株)サンコービルドは、1972年8月に三井鉱山堅抗トンネル掘鑿(株)として三井鉱山(株)(現・日本コークス工業(株))の子会社として設立され、三井鉱山グループ内では、建設部門的な役割を担っていた。83年2月には三鉱建設工業(株)に商号を変更。本格的な建築工事部門の拡充に着手し、技術者の育成と強化に力を注ぐことになった。そして90年から94年にかけて、年間完工高100億円という目標を達成させた。
97年には現在の本社所在地に移転。不動産分譲にも進出していった。「シベール」ブランドとして、福岡市周辺のマンション分譲や県内各地での宅地分譲事業を展開しながら、地場建設会社としての基盤固めを着々と進行。2004年4月には、三井鉱山からの支援のもと、サンコービルドとして独立を果たした。このとき代表取締役に就任した藤井義則氏は、サンコーケアライフ(株)での介護・福祉事業に専念するため、09年4月に代表取締役会長に就任。園村剛二氏が代表取締役社長となる現体制へと移行した。
現在、建設業を担うサンコービルド、老人介護事業を展開するサンコーケアライフ、不動産賃貸業を展開するサンコー開発(株)、警備・清掃などの事業を展開する(株)九州ビルシステムの4社が中核となり、全7社のグループを形成している。
<豊富なノウハウを持って幅広い活動を展開>
建築分野では、医療・福祉施設から、下水道処理場や産業廃棄物埋め立て処分施設などの環境施設、学校や市民交流センター、倉庫、工場、オフィスビル、個人住宅、アミューズメント施設や商業施設といったものまで手がけている。さらに土木分野では、道路、高架橋、トンネル掘削、浚渫工事、工場の基礎工事などの実績を誇る。
08年には、弓場建設(株)が展開しているマンションブランド「ユーミーマンション」のフランチャイズに加盟。同ブランドは低価格・高品質を強みに、全国平均入居率98%を維持し続けている。このように、統一規格を活用した提案なども行なっているほか、新たな事業としては、太陽光発電事業にも積極的に取り組む。同社グループ企業が所有する老人福祉施設や賃貸マンションの屋上に太陽光発電設備を設置し、売電しながらこの分野のノウハウを蓄積している。さまざまな分野の事業に挑戦しながら新たな事業の柱を探す同社の姿勢が、社員の「やりがい」というかたちになる部分もある。そういった推進力も同社の強みの1つだろう。
(つづく)
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:園村 剛二
所在地:福岡市博多区博多駅前1-31-17
設 立:1972年8月
資本金:9,900万円
TEL:092-414-6610
URL:http://www.sanko-bld.co.jp/
<PROFILE>
園村 剛二(そのむら・ごうじ)
1950年6月生まれ、福岡県出身。82年4月に三鉱建設工業(株)(現・(株)サンコービルド)に入社。2002年6月には取締役に就任。その後、常務取締役(08年6月)を経て、09年4月に代表取締役社長に就任した。趣味はゴルフ。
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