ミュージカル界の名コンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)とシルベスター・リーヴァイ(音楽・編曲)、そして日本ミュージカル界のヒットメーカー小池修一郎氏がタッグを組んだ「レディ・ベス」が8月10日から始まる。
世界初演として注目を集めていた日本公演は、東京、大阪に続いていよいよ福岡で上演。博多座の8月公演として、8月10日から9月7日まで上演される。すでに6月中旬から前売り券の販売も行なわれている。
公演に先駆けて主役レディ・ベスを演じる平野綾さんと、ベスの恋人ロビン役の加藤和樹さんが舞台の魅力を語った。
<レディ・ベスにとって、大人の女性になることが女王になることだった>
「レディ・ベス」は、英国女王エリザベス1世が、少女から大人になり、女王になるまでの成長物語だ。
レディ・ベスをはじめとする5名のキャラクターがダブルキャストで演じられ、それぞれの役者が演じる様々なキャラクターの個性を楽しむことができるのが醍醐味のひとつ。なかでもレディ・ベスとロビンのラブストーリーは、多くの人々に共感を与えそうだ。
主役ベス役のひとり、平野綾さんはミュージカル経験3回目でタイトルロールを射止めた。すでに「嵐が丘」「レ・ミゼラブル」で着々と経験を積んできたが、今回は主役。最初は自分の気持ちに余裕がなく、周囲の様子を落ち着いて見ることもできなかった。だが東京公演で場数を踏むにつれて気持ちにもゆとりが出てきた。今は他のキャストとの関係性を見ながら演じていくことで、演技にも深みが出てきていると語る。
最初は、誰もが知るエリザベス女王の役柄を、どうすれば自分ならではのレディ・ベスに落とし込んでいけるのか悩むこともあった。しかし「そんなに難しく考えないで。これは女性なら誰でも経験したことがある、少女から大人へと成長していく物語なんだよ。レディ・ベスの場合、大人の女性になることが、女王になることだっただけなんだから」と助言され、自分らしく演じる道が開けた。
挿入歌「大人になるまでに」も、歌詞にレディ・ベスの心境がとてもよく表れて、「レディ・ベスと同じ気持ちが、私のなかにもある」と気づかされた。歌詞を口ずさむことで自分のなかからベスの姿が引き出される。それが役作りの核となり、だんだんと膨らんでいった。
平野さんのなかに生まれた素朴な疑問が、さらに役作りを深めた。「脚本中には、レディ・ベスと民衆との接点が描かれていないのに、民衆は『レディ・ベスこそ女王にふさわしい』と認めているんです。なぜだろう?と考えながら演じていると、自然と他のキャストの方々に対し、ベスはどういう気持ちでこの人物と接しているのか、と考えながら演じるようになり、そこから自分ならではのレディ・ベス像が多面的に見えてきました」(平野さん)。他キャラクターとの関係性を意識してすることで、平野綾らしいレディ・ベスが形成されていった。
一方、加藤和樹さんは、実在しないキャラクターのロビンを演じる。「架空の人物だからこそ、存在する意味がある」と演技の醍醐味を語る。実在すれば史実にとらわれがちになるかもしれないが、架空だから自由奔放に演じればいいというものでもない。むしろロビン次第でレディ・ベスの在り方が左右されるのだから、非常に重要な役だと自覚する。
「ロビンは吟遊詩人。設定上でも役割上でも自由な立場でいるからこそ見えてくるものもたくさんあります。その奔放さにベスも惹かれているのではないかと思います」と話す。最初はカーテンコールで笑う余裕もなかったが、今は楽しく演じているという。
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■博多座8月公演「ミュージカル レディ・ベス」
<日 時>
8月10日(日)~9月7日(日)
【平日の部】
平日・昼の部
第1幕 午後1時~午後2時25分(85分)/第2幕 午後2時55分~午後4時25分(90分)
【平日・夜の部】
第1幕 午後6時 ~午後7時25分(85分)/第2幕 午後7時55分~午後9時25分(90分)
※7月25日の上演は行なわれません。
【土日の部】
昼の部
第1幕 正午 ~ 午後1時25分(85分)/第2幕 午後1時55分 ~午後3時25分(90分)
夜の部
第1幕 午後5時 ~午後6時25分(85分)/第2幕 午後6時55分 ~午後8時25分(90分)
※夜の部の公演は日程が限られています。詳しくはお問い合わせください。
<観劇料(税込)>
A席:1万5,500円/特B席:1万2,500円/B席:9,500円/C席:5,000円
<お問い合わせ先>
博多座予約センター
TEL:092-263-5555
博多座セールス担当(15名様以上のグループ観劇受付)
TEL:092-263-5880
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