<注目を集めた西川代表の講演>
基礎化粧品ブランド『ドモホルンリンクル』などの製造・販売を手掛け、今や280億円を超える売上高を誇る有力通販企業の(株)再春館製薬所。今年5月に福岡大学で開催された日本ダイレクトマーケティング学会主催の「第13回全国研究発表大会」で、同社の代表取締役西川正明氏による基調講演が行なわれ、他の通販企業とは一味違った戦略や、「お客様満足」の考え方などが語られた。西川氏はメディアへの露出が少なく、西川氏から同社の取り組みについて直接聞く機会もほとんどない。貴重とも言えるこの講演で語られた再春館製薬所の実情を紹介する。
同社は、漢方生薬を軸とする医薬品販売業として1932年に年に創業。1959年に資本金100万円で株式会社として法人化した。社名は、江戸時代の1757年に熊本藩八代目当主の細川重賢公が創設した医師養成校「再春館」に由来するという。
79年に西川仁啓氏が事業を継承し、漢方素材を用いたOTC医薬品『痛散湯』の発売を皮切りに、74年には現在の基礎化粧品ブランド『ドモホルンリンクル』を開発した。同社は新聞媒体を利用した通信販売や卸販売によって、OTC漢方薬を販売していたが、81年頃の売上高は約1億6,000万円程度にすぎなかった。
82年に、現会長の西川通子氏が代表取締役社長に就任。消費者に直接電話で販売するアウトバウンド型のダイレクト・テレマーケティングシステムを採用した。フリーダイヤルや、電話を自動的にかけ続けるオートコールシステムなど、当時では最先端のコールセンター体制を敷いた。販売方法の転換に成功し、業績は急拡大。88年には売上高100億円を超え、一大通販企業に成長した。
(つづく)
【柚木 聡美】
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