今年11月に行なわれる見通しの福岡市長選は、6月26日現在、現職の高島宗一郎氏を含めて誰も正式な出馬表明をしていないという状況だ。これには、高島氏への推薦について自民党市議団の意見が対立しているという背景がある。現職・高島氏への対策を講じるため、水面下では、激しいつばぜり合いが始まっているようだ。
高島氏の背後にいるのは言わずと知れた麻生太郎副総理である。対抗するには、すでに政界を引退したものの、影響力のある山崎拓氏の存在は貴重だ。麻生氏をはじめ、県北人脈が高島氏についていることを面白く思っていない自民党関係者も多い。7月上旬に開かれる山崎氏の政経セミナーには、前福岡市長の吉田宏氏、元佐賀市長の木下敏之氏、福岡市議会議員の北嶋雄二郎氏といった、市長選への意欲を匂わせている面々が馳せ参じるという。
もっとも、高島氏が、誰もが認める立派な市長であれば、2期目の選挙でこういう話にはならないはず。自民関係者からも「議会軽視」「市民無視」といった手厳しい声があがるなか、市民の判断を待たずして、高島氏擁立の責任がある自民党が決断を下す可能性が高まっている。
【山下 康太】
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