民主党福岡県連が、来年春の党一地方選挙における福岡市南区選挙区(定数4)の公認候補に、女性の新人候補を充てることを発表した。副議長まで務めた現職の新村雅彦氏(当選4回)がはじき出された形だ。福教組の組織内候補だが、地元にも安定した基盤を持ち、同党県連副代表を務めていた。
公認外しの背景にあるのは、新村氏の子息・新村優氏の市議選出馬問題。前回の市議選で博多区から立候補し落選した優氏は、選挙区をオヤジの地元である南区に移して再挑戦する意向。当然民主党からの出馬を希望したが、同党福岡2区総支部の支部長である稲富修二前代議士が待ったをかけたという。事実上の世襲、議席の私物化と言われる事態を避けたということ。
新村氏側は優氏を無所属で立候補させる方向に転じたが、稲富氏と新村県議の溝は埋まらず、結局新村氏も無所属で戦わざるを得ない状況となった。子どもは子ども、親は別という理屈もあるにはある。優氏が「生まれ育った南区で出たい」というのを、無理に止めることはできまい。選挙に出る自由は誰にでもある。新村氏側にも言いたいことはあるだろう。しかし、新村県議は副議長まで務めた政治家。有権者の見る目があるということを考えるべきだった。子どもに、政治のあるべき姿を教えるのは先輩議員としての務め。ものの道理を諭すのは親の義務である。どんな理由があろうとも、"親が県議で息子が市議"では、世襲や議席の私物化という批判がつきまとう。政治への信頼を失う原因にもなりかねない。そこを、新村県議は見誤った。
福岡市議会には、自分の息子を2人も市議にした元議長がいる。これも議席の私物化である。褒められることではあるまい。世襲が悪とまではいわないが、二世議員がはびこった日本の政治がどうなったか。現状を見れば、やはり「ダメ」だというしかない。
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