<シルベスター・リーヴァイ氏の指導に感服>
「レディ・ベス」はベスの成長物語だが、ロビンも他のキャラクターも皆それぞれに成長している。日本公演自体もそうだ。日々進化している。世界でも日本での公演が初演なので、演出なども、毎日練り込まれていった。楽曲のキーも自分たちが使いやすいキーに合わせられ、言葉も変化した。増えた演出もあれば、なくなったものもあり、「東京公演の初演と千秋楽では、違うものに進化していた」とレディ・ベス役の平野綾さんと、ロビン役の加藤和樹さんは声を揃えて言う。
指導を受けたシルベスター・リーヴァイ氏について、平野さんが驚いたのは、日本語がわからないのに歌詞と音楽との調和を聴いただけで違和感を察していたことだ。「音楽と言葉にどうも違和感がある、という話になり、『日本語でどう言っているの』と。そして説明を聞いてそういう意味の言葉ならこのメロディがいいと、アレンジしてくれた。話している言語が違っても、メロディと合わせていけるところがすごい。どんなシーンでも歌詞とメロディが独特の魅力的な調和を図っていて、感動する」と平野さん。
加藤さんはリーヴァイ氏の楽曲の幅の広さに魅せられている。「ダイナミックなものから繊細なものまで本当に幅広い。音楽だけで人を泣かせるのもすごいと思う。また日本の客のことをとても大切に考えてくれている。喝采を浴びさせてくれるし大好きだそうだ。だから、日本人から愛され、受け入れられるのだろう」と語る。
<Wキャストで幾通りもの「ベスとロビン」の物語が生まれる>
ロビン役は加藤さんのほか、山崎育三郎さんが演じる。加藤さんは「山﨑さんとは今までも、必ずダブルキャストでコンビを組んでいた。でもその都度今まで見たことがない面が見える。『レディ・ベス』でも新しい一面が見える」という。
ベス役の平野さんの目から見た、それぞれのロビン像を語ってもらった。「山崎さんのロビンは、自分のペースにもっていこうとするベスを、いつのまにかロビンペースに巻き込んでいく。いつの間にか気になるロビンになっていて、存在感がすごくある。加藤さんはクールに見えるが普段から誰よりも人のことを見ているムードメーカー。その人柄が役に出ている。とても純粋で優しいロビン。目線がそらせない、だから惹かれるのだろうし、ベスにとって一生一度の恋人になるのだなと思う」(平野さん)
ベス役は平野綾さんのほか、花總まりさんが演じる。加藤さんの目から見た、それぞれのベス像は、「花總さんは最初から女王の風格がある。でも時々見せる少女の一面がとてもかわいい。ともに支え合って生きていきたいと思えるようなベス像だ。一方、平野さんは守りたくなるような、手を引っ張っていきたくなるようなベス。子どもっぽいが女王としての品格がある」(加藤さん)
学生時代、花總さんに憧れて宝塚に通っていたこともあるという平野さん。花總さんからは多くを学んでいるが、今も憧れの人であることには変わりがない。加藤さんが、花總さん演じるベスについて語る一言一言に、嬉しそうに笑顔で頷いていた。
<平野さんと加藤さんから、ミュージカル初心者へのメッセージ>
平野さん:個性的なキャラクターがたくさん。誰に感情移入するかによって見方が代わるので、誰かお気に入りのキャラクターを見つけて、自分と重ね合わせながら観ると楽しめます。16世紀のイギリス史が簡単にわかりやすく学べるのも良いですよ。
加藤さん:ミュージカルは格式があって観に行きづらいという印象があるかもしれません。でも「レディ・ベス」はひとりの少女の成長期という普遍的なドラマ。ライブ感覚とまでは言わないが、それに近い気分で、気楽に観に来て欲しいと思います。
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■博多座8月公演「ミュージカル レディ・ベス」
<日 時>
8月10日(日)~9月7日(日)
【平日の部】
平日・昼の部
第1幕 午後1時~午後2時25分(85分)/第2幕 午後2時55分~午後4時25分(90分)
【平日・夜の部】
第1幕 午後6時 ~午後7時25分(85分)/第2幕 午後7時55分~午後9時25分(90分)
※7月25日の上演は行なわれません。
【土日の部】
昼の部
第1幕 正午 ~ 午後1時25分(85分)/第2幕 午後1時55分 ~午後3時25分(90分)
夜の部
第1幕 午後5時 ~午後6時25分(85分)/第2幕 午後6時55分 ~午後8時25分(90分)
※夜の部の公演は日程が限られています。詳しくはお問い合わせください。
<観劇料(税込)>
A席:1万5,500円/特B席:1万2,500円/B席:9,500円/C席:5,000円
<お問い合わせ先>
博多座予約センター
TEL:092-263-5555
博多座セールス担当(15名様以上のグループ観劇受付)
TEL:092-263-5880
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